韓国の「盗撮」が国際的な問題に。公衆トイレ、宿泊施設で隠しカメラが流行
6月24日には福島原発処理水の放出を控えて韓国内で品薄となっている「天日塩」を盗んだ夫婦が逮捕された。60代の夫婦は6月10日、12日、14日の3日にわたって済州道西帰浦市内の倉庫に保管されていた塩700袋(1袋20キロ)を盗んだという。済州西帰浦警察署は監視カメラの映像などから容疑者を特定した。
7月7日にアパートの入り口の引っ越し荷物からタブレットPCなどを盗んだ80代の女性2人も監視カメラの映像から逮捕に繋がった。
交通違反の摘発も監視カメラで行われている。速度違反や信号無視など、監視カメラによる摘発が一般的で、違法駐車も監視カメラで取り締まる。
警察は監視カメラの画像と罰金の振込用紙を所有者に送付する。期限内に納付すると完結して行政罰は免除される。違反車両がリース車の場合、写真と納付書は所有者であるリース会社に送付され、リース会社が契約者に転送する。リース会社の担当者は、交通違反の通知が大きな負担だと話している。
天安市のチキン店の食逃げ犯は店内に設置された監視カメラで特定されたが、多くの飲食店や小売店がレジ近くに監視カメラを設置している。目的の一つが従業員の着服を監視するためだ。飲食代や商品代金として受け取った現金を経営者の目を盗んで着服する従業員が少なからずいるのである。現金の扱いを一切やめたバスもある。
公衆トイレの盗撮を防ぐ法律
7月3日、公衆トイレの盗撮を防ぐ「公衆トイレなどに関する法律施行令」改正案が国務会議で議決した。公衆トイレの個室の隙間を上は30cm未満、下は床から5mm以下とする内容が盛り込まれている。一般的なスマートフォンの厚さは7mm以上なので、隙間を5mm以下に定めたが、盗撮はスマートフォンに限らない。
トイレ内に無造作に積まれたトイレットペーパーの中や紙コップ、火災報知機、浄水器、たばこの箱、車の鍵、掛け時計、鏡などさまざまな場所から隠しカメラが発見されている。
一方、監視カメラは交通違反の取り締まりのほか、ゴミ置き場の不法投棄の監視や地下鉄駅、小売店などあらゆるところに設置されている。なかには音声も録音できるカメラを事務所内に設置して従業員の言動を「盗撮」する会社もあるという。韓国の盗撮カメラと監視カメラは紙一重といって良い状況なのだ。
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