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月を開発の無法地帯にしてはいけない...より透明で公平な月探査の基盤を築くには

NO SECRETS ON THE MOON

2023年6月28日(水)13時50分
レイチェル・ウィリアムズ、サミュエル・ジャーディン(いずれもNPO「オープン・ルナー・ファウンデーション」研究員)

参加国の自主的な報告に頼る以上、データベースが常に最新のものとは限らないという欠点もある。例えば中国は17年に情報提供を停止した。だが、こうした一方的措置はステークホルダーの間で物議を醸し、透明性を求める圧力となり得る。

月活動登録簿の実現を阻む壁はほかにもある。市民団体が管理する登録簿は、国や国際機関が主導する統治メカニズムからの転換を意味する。

市民団体による管理には多くの利点がある。第三者であるNGOは、一般により中立的で政治の影響を受けにくいと見なされるので、信頼度も高くなる。また、市民団体はより柔軟で革新的な行動が期待できる。

しかし、この「非国家的」モデルを自国の主権への挑戦と見なす国家は抵抗を試みるかもしれない。例えばトルコの現政権は政府の統制を受けないNGOや市民団体の活動を、政府の権威を失墜させようとする試みと見なしている。中国共産党と市民団体の関係も同様に複雑だ。

透明で公平な月探査の基盤

そのため全ての国が透明性向上の枠組みに加わる可能性は低いが、一部の国や他のステークホルダーが参加するだけでも協力を促進できる。登録簿が月活動の安全性と持続可能性に役立つとの評価が高まれば、非参加国は参加を求める国際社会や世論の圧力に直面するかもしれない。

登録データが政治や企業に都合よく利用されたり、報告の詳細部分が真実ではない可能性もある。具体的には、ある国家が開発競争で優位に立つために活動区域の面積を実際より広く報告したり、企業が公的規制を逃れるために活動内容を過小に報告したりする恐れがある。

例えば、南極条約は同大陸での活動の通知を加盟国に義務付けているが、中国の調査基地は最近、条約違反の可能性がある商業鉱物探査を目立たなくするために、探査の目的を部分的にしか明らかにしなかった。

だが政治の影響を排除したければ、この種の問題と登録簿を関連付けるべきではない。報告の矛盾を見つけたり、ステークホルダーの総意として声を上げるといった仕事は他の関係者に任せるのが得策だ。

商業利用上の問題も、ステークホルダーに登録簿への参加を躊躇させる可能性がある。例えば宇宙には現在、知的財産を法的に保護する仕組みがないので、ステークホルダーは資産や情報を秘匿したり、情報提供を制限したいと思うかもしれない。そのため登録簿が機能するために必要な情報の要件と、ステークホルダーが提供できると考える情報量のバランスを慎重に取ることが重要だ。

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