ロシアは29日、ウクライナの空軍施設を夜間に攻撃したと発表する一方、ロシア国内の産業施設がウクライナ側の砲撃を受けたと明らかにした。ウクライナによる大規模な反転攻勢を前に双方が優位に立とうとしている。

ウクライナ当局は、西部フメリニツキー州の軍事「標的」がロシアの攻撃を受け、滑走路の修復を進めているほか、航空機5機が使用不能になったと明らかにした。具体的な場所は示さなかったが、この地域にはロシア侵攻前から大規模な軍の飛行場がある。

ロシア国営通信社RIAは国防省の情報として、攻撃した空軍施設は複数と報じた。ウクライナは他の空軍施設での被害について明らかにしていない。

首都キーウ(キエフ)は今月16回目となる攻撃を受けたが、当局者によると、夜間に飛来したドローン(無人機)やミサイルは大部分を迎撃し、午前の攻撃でミサイルなどが着弾した標的はないという。

東部ドネツク州のキリレンコ知事は、同州トレツクに対する攻撃で2人が死亡し8人が負傷したと明らかにした。

黒海に面した南部オデーサ(オデッサ)も夜間に無人機攻撃を受けた。ウクライナ軍は、この攻撃で火災が発生し港湾インフラに被害が出たとしたが、穀物輸出への影響については明らかにしていない。

一方、ウクライナと国境を接するロシア西部ベルゴロド州のグラトコフ知事は国境付近の一部集落がウクライナ軍の砲撃を同時に受けたと述べた。国境の町の2つの産業施設が砲撃を受け、従業員4人が負傷したという。

ウクライナ東部軍の報道官は現地テレビに対し、管轄地域で過去24時間に軍の衝突が3件あったと述べた。また、バフムトでロシアの空挺部隊などが民間軍事会社ワグネルの部隊と交代しつつあると指摘した。

「非武装地帯設置を」

こうした中、ウクライナ大統領の外交顧問を務めるイーゴリ・ゾフクバ氏はロイターのインタビューで、ウクライナが考える和平計画が戦争を終わらせる唯一の方法だと述べ、調停努力の時期は過ぎたとの認識を示した。

ここ数カ月の間に中国、ブラジル、バチカン、南アフリカから相次いで提案された和平構想についても否定的な見解を示した。

また、ウクライナのポドリャク大統領府顧問は、戦後処理の一環としてウクライナ国境沿いのロシア国内に100─120キロの非武装地帯を設置すべきと述べた。

欧州連合(EU)の外相に当たるボレル外交安全保障上級代表は、ロシアがウクライナでの戦争で勝利を目指す間は交渉に応じないとの見方を示した。

[ロイター]
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