最新記事
ウクライナ情勢

英、ウクライナに航続200キロ超の長距離ドローン供与 ゼレンスキーが訪問

2023年5月16日(火)11時02分
ロイター
ウクライナのゼレンスキー大統領(写真右)と英国のスナク首相(左)

ウクライナのゼレンスキー大統領(写真右)は、英国を訪問し同国のスナク首相(左)と会談することを明らかにした。写真は2月、ロンドンで撮影(2023年 ロイター/Toby Melville)

ウクライナのゼレンスキー大統領は15日、英国を訪問しスナク首相と会談した。ウクライナがロシア軍に対し大規模な反転攻勢をかけると予想される中、英国はウクライナに対し飛行距離が200キロメートルを超える新型長距離ドローン(無人機)の供与を確約した。

ゼレンスキー氏は週末の間にローマ、ベルリン、パリを訪問。15日に英国を訪問し、スナク首相とロンドン郊外の首相別荘「チェッカーズ」で会談した。

両首脳はウクライナが要請している戦闘機供与についても協議。英国は、戦闘機「F16」の供与に向けた他の国との取り組みを続けながら、ウクライナ軍パイロットの基礎訓練を夏に開始すると表明した。

ゼレンスキー氏はスナク首相との会談後に記者団に対し「『ジェット機連合』なるものを創設したいと考えており、私はポジティブにとらえている。近いうちにいくつかの極めて重要な決定があるだろう。ただ、もう少し努力が必要だ」と語った。

スナク氏は、ウクライナに数百発の防空ミサイルのほか、飛行距離が200キロメートルを超える新型長距離攻撃型ドローンを含む無人航空システムを提供すると表明。「向こう数カ月で」ウクライナに届けると述べた。

ただ、首相報道官は英国がウクライナに戦闘機を供与する計画はまだないと述べた。

英国はこれまで他の国に先駆けてクライナに対する新たな軍事支援を決定。英国が今年1月に戦車供与を決定したのに続き、他の国も戦車供与を決定した。

ゼレンスキー氏はここ数日、ドイツとフランスから戦車や装甲車などの追加供与の確約を獲得。ロシア軍に対する反転攻勢について、より高度な兵器の提供がなければ開始できないのではないかとの記者団の質問に対しゼレンスキー氏は「もう少し時間が必要だ。それほど長くかからないが、もう少し時間が必要だ」とし、これ以上の詳細な情報は共有できないと述べた。

スナク氏は「紛争は極めて重要な局面にある」と指摘。英国は、ウクライナとその国民が自国を守るために揺るぎない支援を続ける」とし、英国は長期的にウクライナと共にあると述べた。

ロシア大統領府は、英国の対ウクライナ追加支援を「極めて否定的に」受け止めていると表明。ただ、英国の支援で紛争の行方が変わるとは考えていないとした。

英国は先週、ウクライナに長距離巡航ミサイルを供給したことを明らかにした。ウクライナに長距離巡航ミサイルを提供するのは英国が初めて。

ウクライナの首都キーウ在住の軍事アナリスト、オレクサンドル・ムジエンコ氏は、ウクライナに対して表明された今回の一連の支援は「かなり重要」だと指摘。「反転攻勢は多くの弾薬を消費するプロセスであるため、砲弾や弾薬が定期的にウクライナに供給されることが極めて重要だ。支援継続が必要不可欠になる。次のステップは航空機だ」と述べた。

*動画を付けて再送します。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2023トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ヘルスケア
腸内環境の解析技術「PMAS」で、「健康寿命の延伸」につなげる...日韓タッグで健康づくりに革命を
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中国で「南京大虐殺」の追悼式典、習主席は出席せず

ワールド

トランプ氏、次期FRB議長にウォーシュ氏かハセット

ビジネス

アングル:トランプ関税が生んだ新潮流、中国企業がベ

ワールド

アングル:米国などからトップ研究者誘致へ、カナダが
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 2
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 3
    受け入れ難い和平案、迫られる軍備拡張──ウクライナの選択肢は「一つ」
  • 4
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 5
    「前を閉めてくれ...」F1観戦モデルの「超密着コーデ…
  • 6
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    現役・東大院生! 中国出身の芸人「いぜん」は、なぜ…
  • 9
    【揺らぐ中国、攻めの高市】柯隆氏「台湾騒動は高市…
  • 10
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 5
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 6
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 7
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 8
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 9
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 10
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中