最新記事
中東

エルサレムのイスラム教礼拝所でイスラエル警察とパレスチナが衝突 報復の軍事攻撃が拡大か

2023年4月6日(木)13時26分
ロイター
アルアクサ・モスクの敷地内に入ったイスラエル警察

エルサレムにあるイスラム教礼拝所「アルアクサ・モスク」で5日までにイスラエル警察とパレスチナ人が2回にわたり衝突した。写真は、2023年4月5日にアルアクサ・モスクの敷地内に入ったイスラエル警察の様子。(2023年 ロイター/Ammar Awad)

エルサレムにあるイスラム教礼拝所「アルアクサ・モスク」で5日までにイスラエル警察とパレスチナ人が2回にわたり衝突した。警察のモスク侵入に反発したパレスチナ武装勢力は自治区ガザからロケット弾を発射し、イスラエルが報復としてガザを空爆、暴力の連鎖がさらに広がる懸念が強まった。

イスラエル警察はアルアクサ内に扇動者が立てこもっているとして侵入し、350人以上を排除、拘束した。さらに24時間も経たない5日深夜に再び侵入し、催涙弾やゴム弾を使用して礼拝者を排除したという。モスクを管理する組織が明らかにした。

パレスチナ赤新月社によると、2回の衝突でゴム弾や殴打などによりパレスチナ人18人が負傷。イスラエル警察は1回目の侵入時に2人の警察官が負傷したと発表した。

イスラム教徒はラマダン(断食月)に入っており、パレスチナ自治政府のアッバス議長の報道官は「イスラエルによるアルアクサ・モスク侵入や礼拝者への攻撃は、ラマダン中の平静と安定を確保するための米政府の取り組みを侮辱している」と非難した。

米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は、同モスクでの暴力行為に懸念を表明し、イスラエル人とパレスチナ人による緊張の緩和が必須だと訴えた。

アルアクサ・モスクのある聖地「神殿の丘」はユダヤ教の聖地でもある。

イスラエルのネタニヤフ首相は、同モスクに武器や花火を持って立てこもった「過激派」が衝突の原因を作ったと批判。「イスラエルは礼拝の自由、全ての宗教への自由なアクセスの維持と神殿の丘の現状維持にコミットしており、暴力的な過激派がそれを変えることを許さない」と声明で述べた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2023トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


日本企業
タイミーが仕掛ける「一次産業革命」とは? 農家の「攻めの経営」を後押しするスキマバイトの可能性
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、ナイジェリアでの軍事行動を警告 キリス

ワールド

シリア暫定大統領、ワシントンを訪問へ=米特使

ビジネス

伝統的に好調な11月入り、130社が決算発表へ=今

ワールド

APEC首脳会議、共同宣言採択し閉幕 多国間主義や
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った「意外な姿」に大きな注目、なぜこんな格好を?
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 5
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    筋肉はなぜ「伸ばしながら鍛える」のか?...「関節ト…
  • 9
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 10
    【クイズ】12名が死亡...世界で「最も死者数が多い」…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 7
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 8
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 9
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した…
  • 10
    庭掃除の直後の「信じられない光景」に、家主は大シ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中