最新記事
ウクライナ戦争

ウクライナ戦争はいつまで?「3年目が見えてくる」その理由 小泉悠×河東哲夫

THE END OF AN ENDLESS WAR

2023年4月11日(火)19時45分
小泉 悠(軍事評論家)、河東哲夫(本誌コラムニスト、元外交官)、ニューズウィーク日本版編集部

230411p18_KKT_09L.jpg

河東氏(左)と小泉氏(右)のウクライナ戦争をめぐる議論は続く HAJIME KIMURA FOR NEWSWEEK JAPAN

3年目ぐらいでウクライナ軍がロシア軍を追い出し切れるのか。クリミアとドンバスはおそらく含まないけれども、2022年2月23日のラインまで原状回復できるのか。

やはりロシアが底力を発揮してウクライナをさらに大きく押し戻して広い領域を確保するのか。または両方とも戦果が上げられず、われわれがいま見ているのと同じぐらいの戦線の形のまま、消耗ばかり募ってもうやめましょう、という話になるか。

今年は難しいと思いますが、来年いっぱいを使ってそういう話になるかどうか、だと思っています。

――朝鮮戦争も3年で休戦になりましたが、それに近いイメージ?

■小泉 そうですね。この戦争の規模、投入されている兵力とその激しさから言って、20世紀の歴史で比べられるのは朝鮮戦争ぐらい。第1次、第2次大戦はもう完全に「外れ値」なので除くとして、それ以下の規模では朝鮮戦争ぐらいしか前例がない。

朝鮮戦争的な終わりを迎える可能性が一つは考えられるわけです。

――ありがとうございました。

※対談記事の抜粋を最初から読む(第1回:小泉悠×河東哲夫・超分析「仮に停戦してもウクライナが破る可能性もある」)。

【動画で見る】ウクライナ戦争の「天王山」と知られざる爆破陰謀論(小泉悠×河東哲夫 対談)


小泉 悠(軍事評論家)
東京大学先端科学技術研究センター(グローバルセキュリティ・宗教分野)専任講師。著書に『ウクライナ戦争』『「帝国」ロシアの地政学』など。

河東哲夫(本誌コラムニスト、元外交官)
外交アナリスト。ロシア公使、ウズベキスタン大使などを歴任。メールマガジン「文明の万華鏡」主宰。著書に『日本がウクライナになる日』『ロシアの興亡』『遙かなる大地』(筆名・熊野洋)など。


ニューズウィーク日本版 世界が尊敬する日本の小説36
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年9月16日/23日号(9月9日発売)は「世界が尊敬する日本の小説36」特集。優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

英中銀が金利据え置き、量的引き締めペース縮小 長期

ワールド

台湾中銀、政策金利据え置き 成長予想引き上げも関税

ワールド

UAE、イスラエルがヨルダン川西岸併合なら外交関係

ワールド

シリア担当の米外交官が突然解任、クルド系武装組織巡
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、日本では定番商品「天国のようなアレ」を販売へ
  • 2
    中国は「アメリカなしでも繁栄できる」と豪語するが...最新経済統計が示す、中国の「虚勢」の実態
  • 3
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ」感染爆発に対抗できる「100年前に忘れられた」治療法とは?
  • 4
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 5
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍…
  • 6
    【クイズ】世界で最も「リラックスできる都市」が発…
  • 7
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 8
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサイルが命中、米政府「機密扱い」の衝撃映像が公開に
  • 4
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 5
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 6
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「なんて無駄」「空飛ぶ宮殿...」パリス・ヒルトン、…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中