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ウクライナロシア軍ミサイルに対抗できない──ドニプロ住宅に被弾、ウクライナの焦燥
Ukraine Lacks Defense System to Shoot Down Russian Kh-22 Missiles: Official
REUTERS/Clodagh Kilcoyne
<防空システムが役に立たず、民間施設がロシアの大規模ミサイル攻撃でがれきの山に>
ウクライナ軍の防空担当司令官ニコライ・オレシュク中将は14日、ロシアがウクライナ東部ドニプロ市の攻撃に使用したような巡行ミサイルKh-22を迎撃・撃墜できるシステムは自国にはないと述べた。
オレシュクによると、Kh-22ミサイルの発射、高度、飛行速度は探知できるが、ミサイルの軌道は「数百メートル」ずれる可能性があるという。
ウクライナの識別システムは、飛来するミサイルがKh-22であることを識別できるほど洗練されているが、それでも1発も撃ち落とせていない。
「ウクライナ軍には、この種のミサイルを撃ち落とすことのできる兵器がない。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まって以来、このタイプのミサイルは210発以上発射されている。いずれも防空兵器で撃墜されていない」と、オレシュクは語った。
Kh-22は重量が約950キログラム、射程は600キロメートルに及ぶ。このようなミサイルを追跡し、破壊することができるのは、西側諸国の特定の防空システムだけだとオレシュクは言う。
「西側諸国からウクライナに将来提供される可能性のある対空ミサイル複合システム(パトリオットPAC-3やSAMP-Tなど)だけが、飛行中のこうしたミサイルを迎撃することができる」
ドニプロ市の被害は甚大
ロシア軍が多くの地域を支配しているウクライナ東部のドニプロペトロウシク州の州都ドニプロ市では、14日のロシア軍の攻撃で大規模な破壊と多くの死者が出た。ロシアの攻撃の主役となったのがこのKh-22ミサイルだった。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は14日、ドニプロ市内の9階建てのアパートが瓦礫と化し、少なくとも5人が死亡した現場を映した動画を公開した。
「ロシアのテロで命を奪われたすべての人々を永遠に忘れない!世界は悪を止めなければならない。ドニプロの瓦礫撤去は続いている。すべてのサービスが機能している。われわれはあらゆる人、あらゆる命のために戦っている。テロに関与した者全員を探し出す。誰もが最大限に責任を負うことになる」と、ゼレンスキーは書いている。
ウクライナ内務大臣顧問アントン・ゲラシチェンコも、建物の破壊状況を示す写真をツイートした。この爆発による死者は子どもを含む40人に達している。
「ドニプロで集合住宅が被弾。被害は深刻。瓦礫の下に人がいる。レスキュー隊が働いている」と、ゲラシチェンコは書いた。
ロシアとウクライナ戦争は、2月24日で1年を迎えようとしている。ロシアはこれまでの戦争で推定11万4000人の自国軍兵士が死亡しているが、戦争を続けることに固執している。
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