最新記事

自動車

自在に色を変え、AIがドライバーに語りかけるBMWのコンセプトカー登場する

2023年1月20日(金)19時55分
青葉やまと

ボディ全体にフルカラーのeインクを搭載、フロントガラスは全面にヘッドアップディスプレイ  BMW

<ユーザーの好みに応じて車体デザインを瞬時に変化させることができ、フロントガラスに進行方向や注意すべき歩行者などをAR形式でドライバーに情報提供するBMWのコンセプトカーが発表された......>

BMWはラスベガスで開催された家電・IT見本市「CES 2023」にて、ミッドサイズセダンのコンセプトカー「BMW i Vision Dee(アイ・ビジョン・ディー)」を発表した。

ボディ全体にフルカラーのeインクを搭載しており、ユーザーの好みに応じて車体デザインを瞬時に変化させることができる。フロントガラスには全面にヘッドアップディスプレイ(HUD)を展開し、進行方向や注意すべき歩行者などをAR形式でドライバーに情報提供する。

独BMWグループはプレスリリースを通じ、Deeのミッションは「人とこれからのクルマの間にさらに強い絆を生み出す」点にあると説明している。一環として、AIによる会話機能を持たせるという。

Deeのコンセプトは2025年以降、次世代型EVライン「ノイエ・クラッセ」に採用される予定だ。

>>■■【動画】ボディーが自在に変色するBMWのコンセプトカー登場

カラーの組み合わせで個性を演出 フロントグリルは感情語る「瞳」

Deeのボディはほぼ全面がフルカラーのeインクで覆われている。240のセグメントがそれぞれ最大32色に変化することで、個性的なルックスを実現する。全体を好みの色でモノトーンに設定するだけでなく、ストライプや市松模様を構成することも可能だ。

BMWは昨年のCESにおいて、白黒のeインクによるカラー・チェンジ・テクノロジーを搭載した「BMW iX」の特別仕様車を出展していた。今回は同技術を32色カラーに拡張した形だ。好みのカラーリングを瞬時に得られるほか、BMWによると、高い視認性を実現する効果も期待できるという。

ボディの一部には引き続き白黒版を採用している。フロントグリルに見える部分は実際にはeインクのディスプレイとなっており、黒と白で複雑なパターンを描画することが可能だ。

「絆」づくりを標榜するDeeは、このディスプレイを通じてクルマの感情表現を演出する。BMWが公開中の紹介動画では、この部分が抽象化された人間の目のような動きをする場面を確認できる。

DeeはCESの基調講演に「登壇」し、発声機能を用いて人々との会話をこなしてみせた。米大手自動車サイトのオート・ブログはこの際、グリル部を使った感情表現が披露されたと報じている。ただし率直なところ、現時点では会話に反応したといよりは、若干ランダムな動きにも感じられたという。

>>■■【動画】ボディーが自在に変色するBMWのコンセプトカー登場

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

台湾鴻海、第2四半期売上高は過去最高 地政学的・為

ワールド

ダライ・ラマ「一介の仏教僧」として使命に注力、90

ワールド

BRICS財務相、IMF改革訴え 途上国の発言力強

ワールド

英外相がシリア訪問、人道援助や復興へ9450万ポン
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 2
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 3
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚人コーチ」が説く、正しい筋肉の鍛え方とは?【スクワット編】
  • 4
    孫正義「最後の賭け」──5000億ドルAI投資に託す復活…
  • 5
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 6
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 7
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコ…
  • 8
    「詐欺だ」「環境への配慮に欠ける」メーガン妃ブラ…
  • 9
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 10
    「登頂しない登山」の3つの魅力──この夏、静かな山道…
  • 1
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 2
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 3
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコに1400万人が注目
  • 4
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 5
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 6
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 7
    【クイズ】「宗教を捨てる人」が最も多い宗教はどれ?
  • 8
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 9
    砂浜で見かけても、絶対に触らないで! 覚えておくべ…
  • 10
    普通に頼んだのに...マクドナルドから渡された「とん…
  • 1
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 9
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 10
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中