最新記事

自然

「ビキニでスキー」で有名なロシアのリゾート地に、巨大な穴「地獄の入り口」が出現!

Giant 'Gate to Hell' Crater Opens Up in Russian Town

2022年12月18日(日)15時15分
パンドラ・デワン
シェレゲシュの水着スキーイベント

シェレゲシュでの「水着スキー」イベント(2015年4月) Ilya Naymushin-Reuters

<直径30メートルの巨大な穴が突如出現。さまざまな要因で、ロシアの地表にはこうした「地獄への入り口」ができやすくなっている>

ロシアで最も人気のあるスキーリゾート「シェレゲシュ」近くに、直径約30メートルの巨大な陥没穴が出現。地元メディアは、「地獄への門が出現」と報じた。ここはカラフルなビキニなど、思い思いの水着姿でスキーを楽しむ大会が開かれる場所としても、国内ではよく知られる地だ。

■【写真】スキーリゾートに出現した「地獄の入り口」と、「水着スキー」大会の様子

Telegramの「incident_kuzbass」というチャンネルが投稿した映像には、大きな煙を上げる陥没穴と、その縁に位置する住宅が今にも穴に落ちそうな様子が捉えられている。

陥没穴の下には鉄鉱石の鉱山がある。地盤が不安定なことから地元当局が住民を避難させていたため、死傷者は報告されていない。タシュタゴル町当局は、道路や家屋に被害はなかったが、この地域につながる主要道路が封鎖され、バスの運行が停止していると発表した。

スコルコボ科学技術研究所石油科学・工学センターの主任研究科学者、エフゲニー・チュヴィリンはニューズウィークに対し、煙の上がるクレーターは劇的に見えるかもしれないが、想定されていたもので、被害を最小限に抑えるために適切な安全対策がとられていたと述べた。

しかし、さらに北部では予測が困難な状況下でクレーターが形成されている。「西シベリア北部の永久凍土地帯に見られるクレーターは、ユニークな地質学的形成だ」とチュビリンは言う。「北極圏の永久凍土の上部からガスが爆発的に放出した結果だ」

地球温暖化で地下爆発が増える

チュビリンによると、クレーターが形成されるには、まず永久凍土の地中氷の下層にできる空洞にメタンガスなどが蓄積し、ガスが濃縮されると圧力が上昇する。地表の下に圧力がかかると、その上の地面が盛り上がり始め、やがて地盤が崩壊する。「ガスの爆発的な放出があり、周囲数百メートルに岩石の破片と氷が散乱する」とチュビリンは説明する。

チュビリンによれば、こうしたクレーターの形成は稀で、2014年以降、20個しか見つかっていない。その多くが巨大で、ギダン半島に出現したクレーターは幅約200メートルにも及ぶ。地球温暖化が進むにつれ、こうした地下爆発が増加すると予想されている。

「(温暖化によって)永久凍土の上部の温度が上昇し、その機械的性質が低下するため、ガス圧が過剰に高くなり、ガスが放出されてクレーターが形成されると言える」とチュビリンは言う。

採掘の結果であれ、天然ガスの結果であれ、ロシアではこうした「地獄への入り口」がますます出現しやすくなっている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

FRB次期議長指名ウォーシュ氏、金融規制緩和を推進

ワールド

メドベージェフ氏、トランプ氏を称賛 米潜水艦の脅威

ビジネス

スペースX、昨年の利益80億ドル IPO控え=関係

ビジネス

「メード・イン・ヨーロッパ」戦略で産業振興、欧州副
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市 vs 中国
特集:高市 vs 中国
2026年2月 3日号(1/27発売)

台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 2
    関節が弱ると人生も鈍る...健康長寿は「自重筋トレ」から生まれる
  • 3
    世界初、太陽光だけで走る完全自己充電バイク...イタリア建築家が生んだ次世代モビリティ「ソラリス」
  • 4
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 5
    中国がちらつかせる「琉球カード」の真意
  • 6
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 7
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 8
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 9
    【銘柄】「大戸屋」「木曽路」も株価が上がる...外食…
  • 10
    【銘柄】「住友金属鉱山」の株価が急上昇...銅の高騰…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 3
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 4
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 5
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から…
  • 6
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 7
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 8
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 9
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 10
    秋田県は生徒の学力が全国トップクラスなのに、1キロ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中