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ビタミン剤過剰摂取の危険性──用量を間違えると死のリスクも

Megadosing Vitamins

2022年10月27日(木)15時18分
アリストス・ジョージャウ
サプリ

ANILAKKUS/ISTOCK

<手軽に栄養を補給できるサプリだが、特に脂溶性ビタミンは体内の脂肪組織に吸収され、長期にわたり蓄積される。サプリメントの深すぎる落とし穴とは?>

ビタミン剤やサプリは健康に良いと考える人は多いだろう。だが、摂(と)りすぎは時に命に関わることもある。

こうしたサプリは1日の適正摂取量を大幅に超える成分を含む高用量タイプで売られていることがある。特定の栄養素が不足しがちな人が、こうした商品を短期間だけ使うなら良いかもしれない。

だが一般的には「高用量サプリやビタミン剤は摂らないほうがいい」と米コーネル大学食品科学部のルイ・ハイ・リウ教授は警告する。

ビタミンや抗酸化物質は可能な限り食事から摂るべきという見解で専門家はおおむね一致している。特に摂りすぎのリスクが高いのが、ビタミンA、D、CやB6などだ。

ビタミンには脂溶性と水溶性の2種類がある。脂溶性ビタミンは体内の脂肪組織に吸収され、長期にわたり蓄積されるため、摂りすぎのリスクは常にある。ビタミンA、D、EやKが脂溶性に分類される。

一方、水溶性のビタミンC、B群は必要な分だけ体に吸収され、残りは排泄される。蓄積されないため、通常は危険性は低い。ただしそれも摂りすぎない場合だ。

「(排泄されるため)『高価なおしっこ』みたいなもので体に大した影響はない、と言う人もいるがそれは違う」と栄養士で食事療法士のジンジャー・ハルティンは指摘する。例えばビタミンCの摂りすぎは下痢や腹痛など消化器系、B6は神経系や皮膚に問題を引き起こす可能性がある。

脂溶性ビタミンでは例えばビタミンAの摂りすぎは「ビタミンA過剰症」という珍しい病気のリスクがある。嘔吐や腹痛などの症状が代表的で、昏睡状態や死に至る場合もある。ほかにも妊娠中の過剰摂取は先天異常のリスクを高める、とハルティンは言う。

「ビタミンD過剰症」も珍しい病気だが、吐き気、嘔吐、衰弱、不整脈、骨の痛み、臓器障害などの症状があり、昏睡状態に陥ることもある。

商品ごとの特徴や推奨摂取量の確認を絶対に怠らず、賢く消費しよう。

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