最新記事

中間選挙

NY州の「超リベラル」下院議員候補、注目を集めるため自分のセックス動画を公開

'Very Liberal' Candidate Releases Own Sex Tape to Break From the Pack

2022年10月17日(月)15時50分
キャサリン・ファン

選挙運動のためのセックス動画公開は前代未聞だという(写真はイメージ) jwblinn-iStock.

<中間選挙を目前に控え、2大政党の候補から注目を奪うため大胆な手段に訴えた>

11月8日の米議会中間選挙に向けて、ニューヨーク州の連邦下院議員に立候補している無所属候補が、自身の主張に注目してもらうための手段として自らのセックス動画を公開した。

長年ニューヨーク州選出の下院議員を務めてきたジェリー・ナドラーの対立候補としてニューヨーク市マンハッタン中心部を選挙区とする第12区で出馬したマイク・イツキス(53歳)は、13分間の動画を「話題の種」として人気のポルノサイトにアップしたと、10月14日にニューヨークのニュースメディア、シティ&ステートに語った。「バケットリスト・ボナンザ」と題された2021年の動画には、彼がAV女優ニコール・セイジとセックスしている様子が映っている。

自らを「非常にリベラル」と語るイツキスは、「政治について話すだけでは、セックスの問題に対する私の強い信念を示すことはできないと思った」と、シティ&ステートに語った。「だからこういう形をとった。大きな学びの経験だった」

イツキスはみずからの選挙運動サイトで性的権利を支持し、「セックスは結婚している男女だけのものという保守的な考えに積極的に反対する」と述べている。彼の公約には、セックスワークの合法化、婚外性交渉を禁じる法律の廃止、プライバシー権の保護、中絶にまつわる議論を「無計画なセックスをする権利」として再定義するといった項目がある。また「男性は事前の合意なしに実子を養うことを要求されるべきではない」という一文もある。

民主党よりリベラル

イツキスは、11月の一般投票で議席を争う12区の3人の候補者のうちの1人。相手は民主党現職のジェリー・ナドラーと共和党のマイク・ズンブルスカス候補だが、ズンブルスカスはシティ&ステートに、自身のセックス・テープを公開したイツキスの決断に理解を示している。

「彼はやりたいようにやるべきだ」と、ズンブルスカスは語った。「この街では、民主党員以外はみんな、マスコミに無視される」

リベラルな民主党支持者が多いこの地区では過去147年間で共和党の下院議員は1人しかいない。今回15期目のナドラーの勝利が有力視されている。

イツキスはセックス動画を公開するという危険な決断を下したものの、自分は 「非常に内向的な人間」だとシティ&ステートに語った。

「私は一種のオタクで、できれば注目の的になることは避けたい」と、彼は言う。「だが私が取り組もうとしている問題はとても重要なので、何らかの形で議論の俎上にのせたいと思った」

イツキスは既成政治からの脱却を強調し、「共和党の案に妥協せず反対する」一方で、民主党とも違うと語った。以前ツイッターで「私は独自の主張をもつリベラルであり、民主党の候補とは一線を画している」と明かしたことがある。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:ホームレス化の危機にAIが救いの手、米自

ワールド

アングル:印総選挙、LGBTQ活動家は失望 同性婚

ワールド

北朝鮮、黄海でミサイル発射実験=KCNA

ビジネス

根強いインフレ、金融安定への主要リスク=FRB半期
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ公式」とは?...順番に当てはめるだけで論理的な文章に

  • 3

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32、経済状況が悪くないのに深刻さを増す背景

  • 4

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 5

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離…

  • 6

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 7

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 8

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 7

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 8

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 9

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 10

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中