ロシア侵攻で、ウクライナに迫る「エイズ危機」
このようにさまざまなステークホルダーが加わることにより、グローバルファンドのプログラムは公平で有効なものになっている。
ウクライナの患者たちは、現場の状況を直接知っている。そうした人たちの声が反映されることの意義は極めて大きい。
実際、ロシア軍の侵攻から半年以上が経過しても、ウクライナでHIV・エイズ関連の薬が不足しているという報告はこれまでのところ全くなされていない。
将来を見据えて、各国政府と国際援助団体は、公衆衛生上の危機──感染症の世界的流行が原因の場合もあれば、国家間紛争が原因の場合もあるだろう──にどのように備えるべきかという戦略を練る必要がある。
紛争時にカギを握るのは、地元主導のアプローチ、長期の投資、そして実際の状況に柔軟に対処する姿勢を貫くこと。
現在のウクライナだけでなく、未来の世界中の人々の健康を守るためには、この点が非常に重要になる。

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