最新記事

ロシア

ロシア国営テレビの生放送でスタッフ女性が反戦を訴える

2022年3月15日(火)17時50分
川口陽
国営テレビの生放送で戦争に抗議する女性

生放送中のスタジオで反戦メッセージを掲げた女性。映像は数秒で切り替わった Guardian News-YouTube

<「プロパガンダに加担してきたことを恥じている」との録画映像も>

「戦争をやめて。プロパガンダを信じないで。彼らはここで嘘をついている」

14日、ロシア国営テレビ局のニュース番組に女性が乱入し、キャスターの背後で戦争を非難するメッセージを掲げ、視聴者に訴えかけた。

この出来事はチャンネル1の生放送中に発生し、映り込んだ女性は同局スタッフのマリナ・オフシャニコワと特定された。

独立系ニュースサイト「メドゥーサ」の編集者ケヴィン・ロスロックは、オフシャニコワが事前に録画していたビデオメッセージをツイッターに投稿。映像の中で彼女は、父親がウクライナ人であり、クレムリンのプロパガンダに加担してきたことを恥じていると打ち明けた。

「ウクライナで起きていることは犯罪です。ロシアは侵略国です。この侵略の責任はたった一人、ウラジーミル・プーチンの良心にかかっているのです」

動画はソーシャルメディアを通じてすぐに拡散された。

「私たちロシア人は思考することができて知的です。この狂気を止められるのは私たちの力だけです。抗議しましょう。何も恐れないで。彼らは私たち全員を閉じ込めることはできないのだから」

複数の報道機関が、その後オフシャニコワが警察当局に拘束されたことを報じている。国営のタス通信は、数日間投獄される可能性があるという。しかし、ウクライナ侵攻後にプーチン大統領が署名した「フェイクニュース法」に抵触するとされた場合、最高15年の禁固刑が科される可能性もある。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ECBは6月利下げ、それ以降は極めて慎重に臨むべき

ビジネス

日本の格付け「A」に据え置き、アウトルック「安定的

ビジネス

超長期国債中心に円債積み増し、リスク削減で国内株圧

ビジネス

独総合PMI、4月速報50.5 10カ月ぶりに50
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 2

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の「爆弾発言」が怖すぎる

  • 3

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバイを襲った大洪水の爪痕

  • 4

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    冥王星の地表にある「巨大なハート」...科学者を悩ま…

  • 9

    「なんという爆発...」ウクライナの大規模ドローン攻…

  • 10

    ネット時代の子供の間で広がっている「ポップコーン…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 7

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子…

  • 10

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中