最新記事

ウクライナ情勢

ウクライナへのロシアによるミサイル攻撃、失敗が最大6割にも

2022年3月25日(金)11時43分
ウクライナ東部クラマトルスクで撮影したロシアの短距離極超音速ミサイルの不発弾

米情報活動に詳しい米当局者3人によると、米政府はロシアのウクライナへの精密誘導ミサイル攻撃について、一部ミサイルの「失敗率」が最大で60%にも上ると分析している。写真はPress service of the National Guard of Ukraineが9日に提供。ウクライナ当局によると、同国東部クラマトルスクで撮影した不発の短距離極超音速ミサイルだという(2022年 ロイター)

米情報活動に詳しい米当局者3人によると、米政府はロシアウクライナへの精密誘導ミサイル攻撃について、一部ミサイルの「失敗率」が最大で60%にも上ると分析している。

ロシア軍よりもウクライナ軍の方がはるかに規模が小さく見えるのに、ウクライナの空域の無力化(制圧)などができていない理由を説明する一助になる可能性がある。一方で、ロシアの爆弾は住宅地や学校や病院などに着弾し、多数の死者を出している。

指摘されている失敗は、発射から爆発に至るまでさまざまな段階にわたる可能性がある。

当局者3人がロイターに語った米政府評価によると、ロシアの失敗率は日によって変わり、発射されるミサイルの種類にも左右されている。50%を超えることが往々にしてあるかもしれないという。このうち1人は、ロシアの空中発射の巡航ミサイルが日によって20─60%の失敗率になっているとの米情報機関の見方を示した。米戦略国際問題研究所(CSIS)によると、ロシアはウクライナ攻撃で2種類の空中発射巡航ミサイルを使用している。

ロイターが取材した専門家2人によると、通常は20%以上の失敗率は高い率と見なされる。

米国防総省当局者が今週、記者団に語ったところによると、ロシアが侵攻開始以来、発射したミサイルは1100発以上。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2022トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・ロシア戦車を破壊したウクライナ軍のトルコ製ドローンの映像が話題に
・「ロシア人よ、地獄へようこそ」ウクライナ市民のレジスタンスが始まった
・【まんがで分かる】プーチン最強伝説の嘘とホント
・【映像】ロシア軍戦車、民間人のクルマに砲撃 老夫婦が犠牲に


今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

中国の新気候目標、必要より「大きく不足」=欧州委員

ワールド

日本は「最恵国待遇を確保」と赤沢再生相、トランプ氏

ワールド

ブラジル中銀、28年初頭もインフレ目標未達見通し 

ビジネス

米コストコ、6─8月期は売上高・実質利益が予想上回
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ハーバードが学ぶ日本企業
特集:ハーバードが学ぶ日本企業
2025年9月30日号(9/24発売)

トヨタ、楽天、総合商社、虎屋......名門経営大学院が日本企業を重視する理由

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    週にたった1回の「抹茶」で入院することに...米女性を襲った突然の不調、抹茶に含まれる「危険な成分」とは?
  • 2
    コーチとグッチで明暗 Z世代が変える高級ブランド市場、売上を伸ばす老舗ブランドの戦略は?
  • 3
    トイレの外に「覗き魔」がいる...娘の訴えに家を飛び出した父親が見つけた「犯人の正体」にSNS爆笑
  • 4
    クールジャパン戦略は破綻したのか
  • 5
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
  • 6
    中国、ネット上の「敗北主義」を排除へ ――全国キャン…
  • 7
    【クイズ】ハーバード大学ではない...アメリカの「大…
  • 8
    日本の小説が世界で爆売れし、英米の文学賞を席巻...…
  • 9
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 10
    富裕層のトランプ離れが加速──関税政策で支持率が最…
  • 1
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 2
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分かった驚きの中身
  • 3
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ」感染爆発に対抗できる「100年前に忘れられた」治療法とは?
  • 4
    筋肉はマシンでは育たない...器械に頼らぬ者だけがた…
  • 5
    【動画あり】トランプがチャールズ英国王の目の前で…
  • 6
    日本の小説が世界で爆売れし、英米の文学賞を席巻...…
  • 7
    コーチとグッチで明暗 Z世代が変える高級ブランド市…
  • 8
    「ミイラはエジプト」はもう古い?...「世界最古のミ…
  • 9
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の…
  • 10
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 5
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 6
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 7
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 8
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 9
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が…
  • 10
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中