最新記事

韓国

韓国は監視共和国? 通話の録音やSNS個人情報漏洩の不安広がる

2022年2月2日(水)12時19分
佐々木和義

カカオIDの入手方法は不明

政府が導入した新型コロナの感染対策に不安を感じる人もいる。飲食店や小売店の利用者はQRコードの登録が義務付けられている。ある施設で感染者が見つかったとき、同時刻に当該施設に滞在した人を特定して、PCR検査を促すためで、スマートフォンでカカオトークかネイバーのアプリを起動すると個人を識別するQRコードが表示され、そのQRコードを読み取り装置に記録する。アプリがない人は各店に割り振られた安心コールに電話をかけて携帯電話番号を登録する。誰がいつどの店を訪問したかが記録されるのだ。政府が導入した21年6月から今年1月半ばまでに収集されたQRコートは累計で36億件を超えているという。

カカオトークは韓国内で80%のシェアを持つSNSメッセンジャーだ。多くの小売店等がポイントカードを携帯電話番号に切り替えており、セールなどの情報がカカオトークに送られる。登録した携帯電話番号からカカオIDを検索して送っているのだ。

公企業も同様だ。郵便局で国際スピード郵便のEMS等を発送すると受付通知がカカオトークで送られる。また配達完了時も通知が届く。送付状に記載した携帯電話番号からカカオIDを検索するようだ。

韓国では賃貸住宅の水道、電気、都市ガスの契約者は家主で、入居者が料金を負担する。電気や水道の請求書は各家庭のポストに配られるが、ソウル都市ガスの請求書はカカオトークか携帯電話のメッセージで送られる。契約者ではない入居者の電話番号やカカオIDの入手方法は不明である。

海外のSNSに移動する「サイバー移民」増加

韓国では市内各所にCCTVカメラ(防犯カメラなど)が設置され、交通違反もCCTVで撮影する。通話を録音し、私企業はもとより、公企業も収集した情報をカカオトークに登録する。CCTVで市民の動きを撮影し、QRで店舗利用を記録する。韓国中が監視下に置かれている。

メッセンジャーをカカオトークから、海外にサーバがあるSNSに移動する「サイバー移民」が増えており、SNSを退会したり情報を非公開にする人たちが増えている。


今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

日本製鉄、今期純損益予想を700億円の赤字に下方修

ビジネス

BNPパリバ、収益性向上へコスト削減強化 第4四半

ワールド

中国の25年金消費、前年比3.57%減、2年連続減

ワールド

金現物2.5%安、銀は15%急落 ドル高や米中摩擦
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染拡大する可能性は? 感染症の専門家の見解
  • 3
    エプスタインが政権中枢の情報をプーチンに流していた? 首相の辞任にも関与していた可能性も
  • 4
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 5
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 6
    ユキヒョウと自撮りの女性、顔をかまれ激しく襲われ…
  • 7
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 8
    トランプ不信から中国に接近した欧州外交の誤算
  • 9
    アジアから消えるアメリカ...中国の威圧に沈黙し、同…
  • 10
    電気代が下がらない本当の理由――「窓と給湯器」で家…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 4
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から…
  • 5
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 6
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 7
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 8
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 9
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 10
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中