習近平はなぜ、中国が40年かけて築いた「成長の土壌」と「富」を捨てるのか?
Heading Toward Stagnation
中国の開発モデルのもう1つの重要なカギは、有名な成語「石を探りながら川を渡る」にある。つまり試行錯誤を繰り返しながら政策を発展させるやり方だ。
各種政策を省レベル、さらには全国に展開する前に、地域レベルで試験運用を行い、実験を奨励し、それぞれの現場に合わせた解決策を探ることで、中国は最善の道を見いだしてきた。だが中央に権力を集中させ、国家統制を強化する習のやり方により、中国の開発モデルはトップダウン型に振れつつある。
創立100年を迎えた中国共産党は、普通の人々によりよい暮らしを約束することで今も国民の支持を得ているように見える。だが共同富裕というスローガンの下、最終的に共産主義へと移行していくなら、中国は過去40年間に稼いだ莫大な経済的利益を、ドブに捨てることになる。もっとも彼らは過去にもドン底から立ち直ってきたのだが。

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