ニュース速報
ビジネス

FSB議長の英中銀総裁、各国に市場混乱リスクへの警戒呼びかけ

2025年07月15日(火)08時00分

イングランド銀行(英中央銀行)のベイリー総裁は14日、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁への書簡で、不確実性が引き続き成長期待を圧迫しているとし、市場の混乱を招くリスクへの警戒を怠らないようにする必要があるとの考えを示した。9日撮影(2025年 ロイター/Alastair Grant/Pool via REUTERS)

[ロンドン 14日 ロイター] - 20カ国・地域(G20)の金融監督当局でつくる金融安定理事会(FSB)の議長を務めるイングランド銀行(英中央銀行)のベイリー総裁は14日、G20政策当局者に宛てた書簡で、不確実性が引き続き成長期待を圧迫しているとし、市場の混乱を招くリスクへの警戒を怠らないようにする必要があるとの考えを示した。

ベイリー氏は、経済・地政学的リスクが一段と顕在化しており、世界的な債務の脆弱性は依然として高い水準にあると指摘した。

金融の安定を確保するために国際的な協力と関与が必要だと強調した。

世界の国内総生産(GDP)の約85%、世界人口の3分の2を占めるG20は、2008年の金融危機後、金融システムを守るためにFSBを設立した。

ベイリー氏は「FSBは幅広く多様なメンバーから構成されているため、その任務を遂行する上で他に類を見ない存在となっている。これは好況時も不況時も重要だ」と指摘。

「政策当局者が世界的なショックに対して協調して行動できることは極めて重要となる。特に地政学的な緊張と分断リスクの高まっている状況では、この能力を当然のものと考えるべきではない」と述べた。

ベイリー氏は、トランプ米大統領が「解放の日」と呼んで発表した関税措置が金融市場を動揺させた4月以降、不確実性が高まったにもかかわらず、状況は改善し、資産価格は回復しているとした上で、「しかし、市場の混乱につながるリスクには引き続き警戒する必要があり、4月の市場イベントから学ぶべき教訓を検討していく」と語った。

FSBは市場の動向を注意深く監視しており、「必要に応じて行動する用意がある」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米政府機関、人員削減計画を縮小 大量の職員流出受け

ワールド

原油先物が小幅安、市場は対ロ制裁や関税を引き続き注

ワールド

米、メキシコ産トマトの大半に約17%関税 合意離脱

ワールド

米、輸入ドローン・ポリシリコン巡る安保調査開始=商
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    真っ赤に染まった夜空...ロシア軍の「ドローン700機」に襲撃されたキーウ、大爆発の瞬間を捉えた「衝撃映像」
  • 2
    「史上最も高価な昼寝」ウィンブルドン屈指の熱戦中にまさかの居眠り...その姿がばっちり撮られた大物セレブとは?
  • 3
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別「年収ランキング」を発表
  • 4
    エリザベス女王が「うまくいっていない」と心配して…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 7
    【クイズ】次のうち、生物学的に「本当に存在する」…
  • 8
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 9
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 10
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首」に予想外のものが...救出劇が話題
  • 4
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 5
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 8
    エリザベス女王が「うまくいっていない」と心配して…
  • 9
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 10
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中