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感染症対策

オミクロン株が猛威ふるう米国、検査キット求め薬局に長蛇の列

2022年1月15日(土)10時54分
米オクラホマシティで、コロナ検査を受けようと行列する市民ら

新型コロナウイルスのオミクロン変異株の猛威に見舞われる中、米国では各地の薬局やドラッグストアに検査キットを求める人々で長蛇の列ができている。写真は11日、米オクラホマシティで、検査を受けようと行列する市民ら(2022年 ロイター/Nick Oxford)

新型コロナウイルスオミクロン株の猛威に見舞われる中、米国では各地の薬局やドラッグストアに検査キットを求める人々で長蛇の列ができている。キットは飛ぶように売れており、年末年始の連休前に急拡大した需要は年明け後もいっこうに衰えていない。

オミクロン株流行で感染者数が記録的な水準に高まり、バイデン政権が学校の検査能力を2倍に引き上げる計画を打ち出したことで、12日には検査キット不足にいらだつ声が各地で聞かれた。

テキサス州ラボックの薬局、ドラッグ・エンポリウムの薬剤師、アサ・ウーテンさんによると、検査キットを求める顧客は引きも切らない。「来店者の4人に1人ほどがキットを買おうとする。今日は開店から1時間のうちに10人からキットについて尋ねられた。電話での問い合わせが途切れることはない」と言う。

同店は2週間前から検査キットが品切れで、ラボックの薬局や小売店はどこも同じような状態だという。最後の入荷分は20分で完売した。

検査キット不足の影響は国民の日常生活にじわじわと広がっている。例えば、生徒や教員の対面授業への出席は検査が受けられるかどうかに掛かっている。

バイデン政権は12日、学校の検査能力を月1000万回増やして倍増することなどを盛り込んだ、対面授業継続に向けた計画を発表した。昨年12月には、1月から簡易検査キット5億回分を国民全体に無料配布すると発表しており、今回の措置はこうした対策の一環だ。

全国各地でキット不足は深刻だとの報告が増加。バイデン政権は急増するオミクロン株の感染者と入院患者数の抑制において、検査に十分注力していないとの批判を浴びている。

ワクチンから軸足

ロイターの集計によると、米国は10日に新型コロナの新規感染者数が135万人と世界最高を更新。1日平均の新規感染者数において、世界全体の3人に1人を米国が占めている。

フィラデルフィア近郊シュウェンクスビルのスキパック・ファーマシーは、クリスマス直前の検査需要急増に対応し、軸足をワクチン接種から検査に移した。

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