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北朝鮮、14日の弾道ミサイル2発発射は「鉄道輸送連隊の発射訓練」

2022年1月15日(土)10時44分
北朝鮮の国旗

韓国軍によると、北朝鮮は、未確認飛翔体を朝鮮半島東岸沖に向けて発射した。写真は北朝鮮の旗。ジュネーブで2014年10月撮影(2022年 ロイター/Denis Balibouse)

北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は15日、14日に発射したミサイルは鉄道機動式だったと報じた。発射実験は「鉄道輸送連隊の行動手順の熟練度の確認と判断」のために行われたという。

北朝鮮は昨年9月に初めて鉄道機動式ミサイルの発射実験を行っている。

韓国軍合同参謀本部は北朝鮮が14日、短距離弾道ミサイル(SRBM)と推定されるものを2発、北西部の平安北道から東に向けて発射したと発表した。北朝鮮のミサイル発射は過去2週間で3回目となる。

松野博一官房長官は14日午後の会見で、同日午後2時50分ごろ、北朝鮮から弾道ミサイルの可能性があるものが発射されたと公表した。被害の情報は入っていない。

岸信夫防衛相は14日、北朝鮮が同日午後2時50分ごろ、弾道ミサイルを少なくとも1発、北西部の陸地から東方向に発射したことを確認したと述べた。飛行距離は通常軌道なら400キロ飛しょうし、日本のEEZ(排他的経済水域)の外側に落下したと推定している。北朝鮮には、大使館ルートを通じて抗議したという。

岸田文雄首相は、迅速・適切な情報の伝達や航空機や船舶の安全確保に万全を期すことなど3項目の指示を出したと松野官房長官は説明。

その上で北朝鮮による一連のミサイル発射は「わが国と地域の平和と安全を脅かすもの」と強く非難し、わが国を含む国際社会にとって深刻な課題であるとした。

米インド太平洋軍は、米国や同盟国に直ちに脅威をもたらすものではないが、「不安定化を招く違法な兵器開発の影響」が浮き彫りになったとコメントした。

韓国軍合同参謀本部によると、ミサイル2発は約430キロ飛行。最高高度は36キロだった。

発射は年初から3回目で、ミサイル実験としては異例のペース。北朝鮮国営メディアによると、これまでの2回は「極超音速ミサイル」だった。これらは平安北道に隣接する慈江道から発射された。

韓国海軍の元将校で慶南大学(ソウル)のキム・ドンヨプ氏は、北朝鮮が「KN─23」や「KN─24」などの以前から配備されている短距離弾道ミサイルを発射した可能性があるとの見方を示した。

「現在行われている冬の演習に合わせて行われた可能性がある。国営メディアの声明に沿った行動により米国にメッセージを送ったのかもしれない」と語った。

同氏は北朝鮮の金正恩総書記が昨年、対米政策について「武力には断固として対応し、誠意には誠意で対応するという原則」を示したと指摘。「目には目を、歯には歯をだ。北朝鮮は怖気づかず独自の道を行くと言っているのもかもしれない」と述べた。

北朝鮮の国営朝鮮中央通信(KCNA)は14日朝、ミサイル発射実験は正当な自衛の権利だとする外務省の声明を伝えた。米国は新たな制裁によって意図的に事態を緊迫化させていると非難した。

一方、米国は北朝鮮によるミサイル発射は近隣諸国と国際社会に対する脅威と非難した上で「引き続き北朝鮮に対する外交的アプローチにコミットしており、対話に参加するよう求めている」とした。

韓国の国家安全保障会議(NSC)は緊急会議を開き「強い遺憾の意」を表明。大統領府は北朝鮮に対し対話の呼び掛けに応じるよう求めた。

英国は、北朝鮮のミサイル発射は地域の平和への脅威と非難。「北朝鮮がさらなる挑発を控え、米国との対話に戻るよう要請する」とした。

[ロイター]


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