最新記事

ワクチン

ファイザーCEOの妻が「ワクチン合併症で死亡」という偽ニュース騒動

Pfizer CEO's Wife Died Of COVID-19 Vaccine Complications?

2021年11月16日(火)20時18分
ダニエル・オング
ファイザーのブーラCEO

ファイザーのブーラCEO(21年4月) John Thys /Pool via REUTERS

<ワクチンへの懐疑論に乗じる形で、ファイザーを貶めようとするようなフェイクニュースが拡散され、騒動を巻き起こした>

11月10日、Conservative Beaverというウェブサイトのブログ投稿が大きな注目を集めた。米製薬大手ファイザーのCEOであるアルバート・ブーラの妻ミリアムが、同社のワクチン接種後に合併症で緊急治療室に搬送され、死亡したという内容だった。

また投稿では、ミリアムは新型コロナワクチンに懐疑的であり、当初はワクチン接種を拒否していたとも書かれていた。「インタビューでブーラは、夫の仕事には『誇りを持っている』としたが、彼女は最初はワクチン接種を拒否しており、『まだ自分の番ではない』と語った」と、投稿にはある。

ファイザーはフェイクニュースを非難

この「フェイクニュース」を、ファイザーの広報担当者は完全に否定している。同社によればCEOの妻は元気であり、ワクチンの信頼を損なおうとするこうした取り組みを非難。この主張は「ごみ」だとした。

ファクトチェック用ウェブサイトNewscheckerへのメールで、同社の代表者は「ジャーナリストを装った人が我々のCEOとその家族について、そうしたとんでもない嘘を広めようとするのは、まったく受け入れがたい」としている。

またブーラCEOも、11日に開催されたイベントの会場で妻と共に撮影した写真をツイッターに投稿し、10日に妻はワクチン接種で死亡していないという事実を証明した。

Conservative Beaverは噂レベルの情報やフェイクニュースを拡散することでアクセスを稼ごうとする姿勢で悪名高く、今月上旬にはブーラCEOが詐欺罪で逮捕されたとのフェイクニュースを流したばかりだった。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

北朝鮮、非核化は「夢物語」と反発 中韓首脳会談控え

ビジネス

焦点:米中貿易休戦、海外投資家の中国投資を促す効果

ビジネス

米国株式市場=反発、アマゾンの見通し好感 WBDが

ビジネス

米FRBタカ派幹部、利下げに異議 FRB内の慎重論
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    【クイズ】12名が死亡...世界で「最も死者数が多い」…
  • 7
    必要な証拠の95%を確保していたのに...中国のスパイ…
  • 8
    海に響き渡る轟音...「5000頭のアレ」が一斉に大移動…
  • 9
    【ロシア】本当に「時代遅れの兵器」か?「冷戦の亡…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 7
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 10
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 8
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 9
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中