最新記事

パンデミック

モスクワがロックダウンへ ロシア、新型コロナの感染・死者ともに最高に

2021年10月29日(金)10時40分
モスクワ

ロシアの首都モスクワは28日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)対策として約1年ぶりの厳しいロックダウン(都市封鎖)を導入した。(2021年 ロイター/Maxim Shemetov)

ロシアの首都モスクワは28日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)対策として約1年ぶりの厳しいロックダウン(都市封鎖)を導入した。ロシアでは新型コロナワクチンの接種が遅れる中、新型コロナ感染による1日当たりの死者数と感染者数が過去最高を記録している。 

全国的に職場を30日から1週間にわたって閉鎖するのに先立ち、モスクワでは薬局や食品店などの生活必需品を取り扱う店舗だけが営業継続を許され、学校や国立幼稚園を閉鎖する一部都市封鎖が実施された。 

モスクワを含めた一部地域では、感染者数を減らすために全国的な取り組みに先駆けて一部封鎖を28日に始めることを決めた。

2020年夏の大規模封鎖とは異なり、モスクワ住民は外出が許されているものの、新たな部分的ロックダウン導入は記録的な死者数に対する懸念の高まりを示している。

ロシア当局は28日、新型コロナによる過去24時間の全国の死者数が過去最高の1159人に達したと発表。1日当たりの感染者数は初めて4万人を突破した。

ロシア下院のウォロジン議長は全議員に対するワクチン接種の義務付けと、未接種の議員はオンラインでの参加にとどめることを提案した。議場からは「これはどんなPRなんだ」などの怒りの声が出た。

ロシア人の多くはワクチン接種に消極的で、ロシアが承認した「スプートニクV」を含む4種類のワクチンを敬遠。当局への不信感や、ワクチンの安全性への懸念が理由と指摘されている。

今月22日時点の公式データでは、ワクチンを完全に接種したロシア人は4910万人。併合されたクリミアを除く総人口は、公式には約1億4400万人と推定されている。

日刊紙「コメルサント」は28日、ロシア政府がワクチン接種の重要性に関する広報キャンペーンの刷新を計画していると報じた。新たなキャンペーンではロシアの80地域あまりに焦点を当て、これまでほど攻撃的でネガティブなトーンではなくなる見込みとした

政府は広報キャンペーンの刷新計画を否定したが、戦略の調整を続け、広報を継続すると説明した。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・誤って1日に2度ワクチンを打たれた男性が危篤状態に
・新型コロナ感染で「軽症で済む人」「重症化する人」分けるカギは?
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=ドル、対円で横ばい 米指標再開とFR

ビジネス

米、対スイス関税15%に引き下げ 2000億ドルの

ビジネス

米国株式市場=まちまち、来週のエヌビディア決算に注

ビジネス

12月利下げ支持できず、インフレは高止まり=米ダラ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前に、男性が取った「まさかの行動」にSNS爆笑
  • 4
    『トイ・ストーリー4』は「無かったコト」に?...新…
  • 5
    文化の「魔改造」が得意な日本人は、外国人問題を乗…
  • 6
    「不衛生すぎる」...「ありえない服装」でスタバ休憩…
  • 7
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 8
    「水爆弾」の恐怖...規模は「三峡ダムの3倍」、中国…
  • 9
    中国が進める「巨大ダム計画」の矛盾...グリーンでも…
  • 10
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 7
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 8
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 9
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 10
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中