今年のノーベル賞は温暖化対策がキーワード? 平和賞の最有力候補はグレタ・トゥーンベリか
8日に受賞者が発表される今年のノーベル平和賞は、有力候補にスウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥンベリさん(写真中央)、ベラルーシの反政権派、スベトラーナ・チハノフスカヤ氏、ロシアの反政権活動家、アレクセイ・ナワリヌイ氏などが挙がっている。カナダのモントリオールで2019年9月撮影(2021年 ロイター/Andrej Ivanov)
8日に受賞者が発表される今年のノーベル平和賞は、有力候補にスウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥンベリさん、ベラルーシの反政権派、スベトラーナ・チハノフスカヤ氏、ロシアの反政権活動家、アレクセイ・ナワリヌイ氏などが挙がっている。
ただ、発表のわずか3週間後に国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)の開催を控えていることは、トゥンベリさんにとって追い風だと「ノーベル賞ウォッチャー」は見ている。
世界で最も権威があるとされる政治的栄誉に包まれている同賞では、全く想定外の人物が受賞することも少なくない。だが、ウォッチャーによると、受賞者を選ぶ委員5人が、最も強い関心を抱いていそうな世界的問題に着目するのが、予想にとって最良の道だという。
英北部グラスゴーで11月に開かれるCOP26では、地球温暖化問題が取り上げられるだろう。科学者の話では、今回の会合は、今後10年間の温室効果ガス排出量削減に向けて、拘束力のある目標を設ける最後のチャンスとなる。地球の平均気温の上昇幅を摂氏1.5度以内に抑え、破滅的な事態を回避するという期待をつなぐために極めて重要だ。
トゥンベリさん(18)が選ばれれば、マララ・ユスフザイさんに次いで2番目に若い受賞者となる。
ストックホルム国際平和研究所のダン・スミス所長は「委員会は何かメッセージを発信しようとすることが多い。今回は受賞者の発表から受賞式に挟まれる時期にCOP26が開催される予定で、受賞者選定はCOP26に対して強力なメッセージを送ることになる」と述べた。
委員会が取り上げたいと考える可能性のある、もう1つの大きな課題は民主主義と言論の自由だ。その流れであれば「ジャーナリスト保護委員会」や「国境なき記者団」のような報道の自由を擁護する活動を行っている団体や、亡命中のチハノフスカヤ氏、収監中のナワリヌイ氏など、知名度の高い反体制派が選ばれるかもしれない。