最新記事

ノーベル賞

今年のノーベル賞は温暖化対策がキーワード? 平和賞の最有力候補はグレタ・トゥーンベリか

2021年10月6日(水)10時44分
グレタ・トゥンベリ

8日に受賞者が発表される今年のノーベル平和賞は、有力候補にスウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥンベリさん(写真中央)、ベラルーシの反政権派、スベトラーナ・チハノフスカヤ氏、ロシアの反政権活動家、アレクセイ・ナワリヌイ氏などが挙がっている。カナダのモントリオールで2019年9月撮影(2021年 ロイター/Andrej Ivanov)

8日に受賞者が発表される今年のノーベル平和賞は、有力候補にスウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥンベリさん、ベラルーシの反政権派、スベトラーナ・チハノフスカヤ氏、ロシアの反政権活動家、アレクセイ・ナワリヌイ氏などが挙がっている。

ただ、発表のわずか3週間後に国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)の開催を控えていることは、トゥンベリさんにとって追い風だと「ノーベル賞ウォッチャー」は見ている。

世界で最も権威があるとされる政治的栄誉に包まれている同賞では、全く想定外の人物が受賞することも少なくない。だが、ウォッチャーによると、受賞者を選ぶ委員5人が、最も強い関心を抱いていそうな世界的問題に着目するのが、予想にとって最良の道だという。

英北部グラスゴーで11月に開かれるCOP26では、地球温暖化問題が取り上げられるだろう。科学者の話では、今回の会合は、今後10年間の温室効果ガス排出量削減に向けて、拘束力のある目標を設ける最後のチャンスとなる。地球の平均気温の上昇幅を摂氏1.5度以内に抑え、破滅的な事態を回避するという期待をつなぐために極めて重要だ。

トゥンベリさん(18)が選ばれれば、マララ・ユスフザイさんに次いで2番目に若い受賞者となる。

ストックホルム国際平和研究所のダン・スミス所長は「委員会は何かメッセージを発信しようとすることが多い。今回は受賞者の発表から受賞式に挟まれる時期にCOP26が開催される予定で、受賞者選定はCOP26に対して強力なメッセージを送ることになる」と述べた。

委員会が取り上げたいと考える可能性のある、もう1つの大きな課題は民主主義と言論の自由だ。その流れであれば「ジャーナリスト保護委員会」や「国境なき記者団」のような報道の自由を擁護する活動を行っている団体や、亡命中のチハノフスカヤ氏、収監中のナワリヌイ氏など、知名度の高い反体制派が選ばれるかもしれない。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ノンバンク融資に絡むリスクへ監視強化を、IMFが各

ビジネス

景気減速、予想ほど進んでいない可能性=ミネアポリス

ビジネス

仮想通貨規制、各国で「重大な格差」とリスク指摘=F

ビジネス

トランプ大統領と独メルク、不妊治療薬値下げと関税免
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口減少を補うか
  • 2
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ海で「中国J-16」 vs 「ステルス機」
  • 3
    間取り図に「謎の空間」...封印されたスペースの正体は?
  • 4
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 5
    【クイズ】サッカー男子日本代表...FIFAランキングの…
  • 6
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 7
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 8
    疲れたとき「心身ともにゆっくり休む」は逆効果?...…
  • 9
    イーロン・マスク、新構想「Macrohard」でマイクロソ…
  • 10
    ホワイトカラーの62%が「ブルーカラーに転職」を検討…
  • 1
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな飼い主との「イケイケなダンス」姿に涙と感動の声
  • 2
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 3
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 4
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 5
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 6
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 7
    ベゾス妻 vs C・ロナウド婚約者、バチバチ「指輪対決…
  • 8
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 9
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 10
    「中国のビットコイン女王」が英国で有罪...押収され…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 7
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 8
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 9
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 10
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中