最新記事

アメリカ社会

イベルメクチンの売り上げが米で24倍に、コロナ治療のつもりが救急治療室が満杯に

Patients Overdosing on Ivermectin Are Clogging Oklahoma ERs: Doctor

2021年9月3日(金)16時50分
ジョン・ジャクソン

米国医師会(AMA)、全米薬剤師協会(APhA)と全米薬剤師健康協会(ASHP)は、9月1日に共同で声明を発表した。

「イベルメクチンの処方・販売量がパンデミック前に比べて24倍に増えており、過去数カ月で急増しているという報道に、危機感を募らせている」「我々としては、臨床試験以外で、新型コロナ感染症の予防および治療薬としてイベルメクチンを処方、販売および使用することを、即座にやめるよう求める」

FDAはこの問題について、親しみやすいメッセージを発信しようと、8月にツイッターに次のように投稿した。「あなたは馬ではありません。牛でもありません。これは真面目な話です。やめてください」

このツイートには、イベルメクチンの危険性を説明するウェブサイトへのリンクが貼られていた。FDAによれば、イベルメクチンを人が服用した場合の副作用には、吐き気や嘔吐、下痢、血圧の低下、めまいや発作、昏睡状態などがあり、最悪の場合は死に至る可能性もあると書いてる。

マクエリエはKFOR-TVに、次のように語っている。「過剰に摂取したことで、新型コロナ感染症にかかるよりもひどい状態に陥った人々もいる」

<追記>
記事の掲載後、マクエリエ医師の話に出てきた病院の一つとみられるオクラホマ州サリソー市のノースイースタン・ヘルスシステム(NHS)セコイヤは、以下の声明をホームページとフェイスブックで発表した。マクエリエは同病院の職員ではなく、救急処置も行う派遣会社の従業員だが、過去2年は同病院で働いた実績はない。また、同病院ではイベルメクチンの過剰摂取またはその他の合併症患者を治療したことはなく、救急の治療を要する患者を拒否したことはなく適切な治療を行なっている、とのこと。

ニューズウィーク日本版 高市早苗研究
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年11月4日/11日号(10月28日発売)は「高市早苗研究」特集。課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=ドルおおむね下落、米景気懸念とFRB

ビジネス

ステーブルコイン普及で自然利子率低下、政策金利に下

ビジネス

米国株式市場=ナスダック下落、与野党協議進展の報で

ビジネス

政策不確実性が最大の懸念、中銀独立やデータ欠如にも
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2人の若者...最悪の勘違いと、残酷すぎた結末
  • 3
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統領にキスを迫る男性を捉えた「衝撃映像」に広がる波紋
  • 4
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 7
    【銘柄】元・東芝のキオクシアHD...生成AIで急上昇し…
  • 8
    なぜユダヤ系住民の約半数まで、マムダニ氏を支持し…
  • 9
    長時間フライトでこれは地獄...前に座る女性の「あり…
  • 10
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 6
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 7
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 8
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 9
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 10
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中