最新記事

BOOKS

人類は2000年前から「時間が足りない」「時間を無駄にした」と悩んでいた

2021年9月28日(火)18時28分
flier編集部
時間

Mikhail Leonov-iStock

<『君たちはどう生きるか』など歴史に残る3冊の名著が教える、短い人生の時間を無駄にせず、大きな喜びとともに前向きに生きる方法>

最近「今日は充実していたな」と思ったのは、いつのことでしたか? 忙しい日々に流されて、「なんとなく」生きていることがデフォルト化していませんか?

「光陰矢のごとし」という言葉があります。

幼いころは、1日どころか45分程度の授業時間ですら、あまりに長く感じたものでした。それがいつの間にか、1週間、1カ月、1年というまとまりで時が過ぎ去るようになりました。

時間は過去から未来に向けて一方向にしか進まないので、気づけばあらゆることがすぐに過去になってしまいます。実は、遠い昔を生きた先人たちも同じようなことに悩んでいたのです。

本の要約サービス「フライヤー」に蓄積されている歴史的な「知」の名著から、社会や人生のヒントを探ってみてはいかがでしょう? 一見すると近寄りがたい古典的ベストセラーも、きっと今のあなたの助けになってくれるはずです。(この記事は、本の要約サービス「flier(フライヤー)」からの転載です)。

「他人に時間を奪われて忙しくなっている」

210924fl_ky02.jpg

『人生の短さについて 他2篇』
 著者:セネカ
 翻訳:中澤務
 出版社:光文社
 flierで要約を読む

古代ローマの哲人セネカは、いまから2000年ほど前に生きた人物ですが、そのころから「人々はいかに時間を無駄使いしているか」に頭を悩ませていました。そう思うと、「人生の無駄遣い」は人間の永遠のテーマと言えそうです。

人の一生は最初から短く儚いものなのではなく、「他人に時間を奪われて忙しくなっている」から、満ち足りた十分な長さに感じられないのです。誰が好きか嫌いかに一喜一憂し、他人のために苦労を重ね、人生が自分のものになっていない。不安定だから、しょっちゅう心変わりするし、退屈から逃げることもできない。

「過去を忘れ、現在をおろそかにし、未来を恐れる人たちは、きわめて短く、不安に満ちた、哀れな生涯を送る」

では私たちはどうすれば人生を豊かにしていけるのか。まずは、2000年の時を越えた哲学者の言葉に耳を傾けてみませんか。

「腹の底から湧き出る喜び」

210924fl_ky03.jpg

『生きがいについて』
 著者:神谷美恵子
 出版社:みすず書房
 flierで要約を読む

人は生きがいを感じているとき、自分の命があったことに喜び、感謝する気持ちを心の底から抱くことができるに違いありません。『生きがいについて』の著者である神谷美恵子さんはその「生きがい感」を、「腹の底から湧き出る喜び」と表現しました。

みなさんはそれぞれにさまざまな人生を歩まれてきたと思いますが、立ち止まって振り返ると、そのような「喜び」をいつ、どんなときに得られたか、思い出すことができますか? それは、きっとあなたが「やりたいこと」につながっています。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

大手3銀の今期純利益3.3兆円、最高益更新へ 資金

ワールド

ニューカレドニアの暴動で3人死亡、仏議会の選挙制度

ワールド

今年のユーロ圏成長率、欧州委は2月の予想維持 物価

ワールド

ウクライナ大統領、外遊取りやめ 東部戦況悪化が影響
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少子化の本当の理由【アニメで解説】

  • 2

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダブルの「大合唱」

  • 3

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史も「韻」を踏む

  • 4

    アメリカからの武器援助を勘定に入れていない?プー…

  • 5

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 6

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 7

    ロシア国営企業の「赤字が止まらない」...20%も買い…

  • 8

    英供与車両から巨大な黒煙...ロシアのドローンが「貴…

  • 9

    ユーロビジョン決勝、イスラエル歌手の登場に生中継…

  • 10

    「ゼレンスキー暗殺計画」はプーチンへの「贈り物」…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 6

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中