最新記事

航空機

コロナ禍でも迷惑乗客は減らず 米客室乗務員、上半期に4000人超が乗客の暴言・暴力を経験

2021年7月30日(金)12時33分
旅客機の機内

米客室乗務員組合(AFA-CWA)が航空会社30社の客室乗務員5000人を対象に実施した調査で、回答者の4000人以上が今年上半期に手に負えない乗客に対応したと回答した。写真は2020年4月、ユタ州ソルトレークシティーで撮影(2021年 ロイター/Jim Urquhart)

米客室乗務員組合(AFA-CWA)が航空会社30社の客室乗務員5000人を対象に実施した調査で、回答者の4000人以上が今年上半期に手に負えない乗客に対応したと回答した。5人に1人は身体的な暴行を経験したという。

こうした調査は初めてで、回答者の85%が、押しのけやごみの投げつけ、人種・性差別や同性愛嫌悪による中傷などの事象を経験したと答えた。

AFA-CWAのサラ・ネルソン会長は、「これはわれわれが容認するつもりのない『ニューノーマル』だ」と述べた。

事象の原因としては、マスク着用義務、酒類、安全に関する定期的な呼び掛け、運航遅延や欠航などが挙げられた。

さらに、会社の経営陣にこうした事象に関する苦情を申し立てたが対処してもらえなかったとの回答が約4分の3に達し、手に負えない旅客増加への対策に向けた事業者側の取り組みが示されなかったとの回答が過半数を占めた。

AFA-CWAは声明に、ある客室乗務員の発言として、「過去1年間に数えきれないほど怒鳴られ、暴言を浴びせられ、脅迫された。そうした事象の大半が運航の一時中断につながった」と記載。米連邦航空局(FAA)と司法省に、運航に支障をきたす行動を取った航空旅客に対する「ゼロトレランス」(不寛容)政策の恒久化を求めた。

(本文中の不要な記号を削除しました)

[29日 ロイター] - 米客室乗務員組合(AFA-CWA)が航空会社30社の客室乗務員5000人を対象に実施した調査で、回答者の4000人以上が今年上半期に手に負えない乗客に対応したと回答した。5人に1人は身体的な暴行を経験したという。

こうした調査は初めてで、回答者の85%が、押しのけやごみの投げつけ、人種・性差別や同性愛嫌悪による中傷などの事象を経験したと答えた。

AFA-CWAのサラ・ネルソン会長は、「これはわれわれが容認するつもりのない『ニューノーマル』だ」と述べた。

事象の原因としては、マスク着用義務、酒類、安全に関する定期的な呼び掛け、運航遅延や欠航などが挙げられた。

さらに、会社の経営陣にこうした事象に関する苦情を申し立てたが対処してもらえなかったとの回答が約4分の3に達し、手に負えない旅客増加への対策に向けた事業者側の取り組みが示されなかったとの回答が過半数を占めた。

AFA-CWAは声明に、ある客室乗務員の発言として、「過去1年間に数えきれないほど怒鳴られ、暴言を浴びせられ、脅迫された。そうした事象の大半が運航の一時中断につながった」と記載。米連邦航空局(FAA)と司法省に、運航に支障をきたす行動を取った航空旅客に対する「ゼロトレランス」(不寛容)政策の恒久化を求めた。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

パウエル氏利下げ拒否なら理事会が主導権を、トランプ

ビジネス

米雇用、7月+7.3万人で予想下回る 前月は大幅下

ビジネス

訂正-ダイムラー・トラック、米関税で数億ユーロの損

ビジネス

トランプ政権、肥満治療薬を試験的に公的医療保険の対
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ関税15%の衝撃
特集:トランプ関税15%の衝撃
2025年8月 5日号(7/29発売)

例外的に低い日本への税率は同盟国への配慮か、ディールの罠か

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 2
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 3
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿がSNSで話題に、母親は嫌がる娘を「無視」して強行
  • 4
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから…
  • 5
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目…
  • 6
    カムチャツカも東日本もスマトラ島沖も──史上最大級…
  • 7
    一帯に轟く爆発音...空を横切り、ロシア重要施設に突…
  • 8
    【クイズ】1位は韓国...世界で2番目に「出生率が低い…
  • 9
    【クイズ】2010~20年にかけて、キリスト教徒が「多…
  • 10
    街中に濁流がなだれ込む...30人以上の死者を出した中…
  • 1
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 2
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの習慣で脳が目覚める「セロ活」生活のすすめ
  • 3
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜つくられる
  • 4
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
  • 5
    航空機パイロットはなぜ乗員乗客を道連れに「無理心…
  • 6
    中国が強行する「人類史上最大」ダム建設...生態系や…
  • 7
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 8
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 9
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから…
  • 10
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 3
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 4
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 5
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの…
  • 6
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜…
  • 7
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 8
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 9
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 10
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中