最新記事

ワクチン接種

針が怖くて献血を嫌がる日本の学生にワクチン接種は広がるか

2021年6月26日(土)15時15分
にしゃんた(羽衣国際大学教授、タレント)
都庁でのワクチン接種

「針が怖い」という声は外国人留学生からは聞こえてこない Rodrigo Reyes Marin/Pool/REUTERS

<新型コロナウイルスとの戦いは、いかにワクチン接種を進めるかにシフトしてきているが......>

日本で新型コロナウイルスが最初に確認されてから長い間、都道府県ごとの感染者や重傷者の数がニュースの常連項目だった。しばらく前からはそこに都道府県別のワクチン接種率が表示されるようになったことをみて時代の変わり目のようなものを感じた。メディアも今後ワクチン接種関連ニュースに軸足をシフトしていくに違いない。世の中の変化を確実に感じる。

世の先を占う株式市場を見てもコロナ明けを見据えた業種の株価が場合によってはビフォアコロナの水準に既に達している。次のステージに進んでいることを示している状況はこんなところにも。コロナ騒ぎが始まった当初は大騒ぎとなったコロナ感染者や関係者が被害を被るコロナ差別も、ここにきて差別の対象が徐々にワクチン非接種者に向かってきている。

コロナによって社会が確実に分断された。その最たるものは健康をとるか経済をとるかだったが、2つはがんじがらめになっていて切り離しようがないことをこの間、各々が身にしみて分かったにもかかわらず、極論に執着した政治・社会構造は以前にもまして健在だ。経済か健康かの分断の延長線に今になって現れているのはおそらくワクチンを打つか打たないかだ。ファシズムや同調圧力と言われたらそれまでだが、集団免疫を求めワクチンを接種する方向で社会が突き進むことを止められるとは考えにくい。

私は大学教員をしている関係で若者と話をすることが自然と多い。この前から聞かれてある意味、返答に困っているのは、ワクチン接種についてだ。見渡す限り「できたら受けたくない」という日本人学生も留学生も多い。私が勤める大学も職域接種に向けての体制なども進んでおり、教え子に限らず、日本の若者のワクチン接種が今後どう進むのかをある意味、研究対象としても楽しみに見守っている。

注射の針が「怖い」

実は私は大学のボランティア系科目の担当教員である。そんなこともあって、学生とともに献血推進のボランティアにも取り組んでいる。具体的には年1、2回の献血の呼び込みと献血協力ということになる。一見聞こえは良いだろうが、実態はそれほどうまくいっているわけではない。はっきり言って、呼び込みは上手くいくが、献血協力は上手く行かないのだ。これは年々深刻になる一方だ。

学生は「献血はしたくない」というが、その理由はたった一点に集約される。「針が怖い」ということだ。もちろん熱心に献血をしている学生もいることはいる。たが全体として見ると献血推進活動の現場には献血不足の深刻さを訴え、献血協力を他者に求めながら、自らは針が怖いから献血しないというなんとも自己矛盾を抱えている若者でごった返しているのだ。もう1つ付け加えれば、献血に消極的なのは日本人学生の1つの特徴でもある。傾向としては留学生の場合は献血に積極的な学生がむしろ多い。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

英アーム、ライセンス収入が市場予想下回る 時間外取

ワールド

「関税はインフレ招く」の見解訂正、FRBは国民の信

ビジネス

米クアルコム、1─3月期見通しが予想下回る メモリ

ワールド

習氏、台湾問題は「最重要」 中国が大豆購入拡大とト
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染拡大する可能性は? 感染症の専門家の見解
  • 3
    エプスタインが政権中枢の情報をプーチンに流していた? 首相の辞任にも関与していた可能性も
  • 4
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 5
    トランプ不信から中国に接近した欧州外交の誤算
  • 6
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 7
    ユキヒョウと自撮りの女性、顔をかまれ激しく襲われ…
  • 8
    アジアから消えるアメリカ...中国の威圧に沈黙し、同…
  • 9
    電気代が下がらない本当の理由――「窓と給湯器」で家…
  • 10
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 4
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から…
  • 5
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 6
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 7
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 8
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 9
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 10
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中