最新記事

Google

最愛の人の「生前の姿」をGoogleストリートビューで発見した人たち...その感動と特別さ

Man Finds Beautiful Image of His Late Parents Holding Hands on Google Maps

2021年6月18日(金)18時08分
ケイト・ファウラー

38歳のリサ・パターソンは、「つらいときや、父親に会いたいと感じるのはたいてい深夜で、そんなときは道を歩いている父親の画像を見る」と話す。彼女がGoogleマップで見つけたのは、かなり以前の父親の画像で、近所に住む高齢者のごみ出しを手伝っているところだった。父親は、62歳だった5年前に突然亡くなったという。

パターソンの父親は、自分が写った画像をネットで発見した当時、「近所に住む高齢者のごみ出しをするために道を歩いているところを撮られたと、とてもおもしろがっていた」という。

今のパターソンにとって特別なのは、父親がその画像を自分で発見したという思い出だけではない。画像を3Dで見られるのも嬉しいようだ。「父親をいろいろな角度から見られるのが好き。まるで、父が今でもその世界に存在しているような気持ちになる」とパターソンは言う。「眠れない夜には、その画像を見て父のことを考える」

こっそりタバコを吸おうとしている母の姿

49歳のバーナード・ベイカーも、母親の思い出を語ってくれた。自宅前にいる彼の母親の姿がGoogleマップで撮影されたのは、亡くなる1年ほど前のことだった。

「母がタバコを吸うのを、家族は嫌がっていた。でも好きで吸っていたのだから、彼女にとってはよかったのだろう。タバコを吸おうとコソコソしているこの画像を見るたびに、笑顔になる」とベイカーは本誌に語った。「母はこの画像が撮影されたおよそ2週間後にこの世を去った。救急車で運ばれていったとき、私は玄関で見送った」

210618gm_sv02.jpg

Google Mapsに残るタバコを吸おうとするベイカーの母親の写真 BERNARD BAKER.

ベイカーがこの画像を発見したのは幸せな偶然だった。自宅を建て替える前と建て替えた後を比べようとしたのだという。

「父が亡くなった後、私は妻と子どもたちと一緒に母の家に引っ越した。母が独りになるのが耐えられなかったからだ。母はにぎやかな家庭が好きだった」とベイカーは振り返る。「引っ越してから、大切な母の面倒を見られるよう、建て替えを計画した」

「ときどき、母がまだそこにいるのか確認したくて、Googleマップを見ている」

(翻訳:ガリレオ)

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

米債市場の動き、FRBが利下げすべきとのシグナル=

ビジネス

米ISM製造業景気指数、4月48.7 関税コストで

ビジネス

米3月建設支出、0.5%減 ローン金利高騰や関税が

ワールド

ウォルツ米大統領補佐官が辞任へ=関係筋
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ウクライナ戦争は終わらない──ロシアを動かす「100年…
  • 5
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 6
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 7
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 8
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 9
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 10
    【徹底解説】次の教皇は誰に?...教皇選挙(コンクラ…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 8
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中