最新記事

セレブ

BTSだけじゃない! 中国を怒らせた「出禁」セレブたち

China’s Blacklisted Celebs

2021年6月18日(金)12時19分
ジェイク・ディーン

210622p52_ce02.jpg

チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマと会談したレディー・ガガ KEVIN MAZUR/GETTY IMAGES FOR BORN THIS WAY FOUNDATION

中国がおとなしくさせたい有名人はまだいる。

プロレスラーで俳優のジョン・シナはこの5月、台湾は出演作『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』が公開される最初の「国」だと発言して炎上した。「一つの中国」政策への非難と受け止めた中国当局が憤慨し、シナはすぐに降参。中国のSNS微博に中国語で謝罪する動画を投稿し、中国と中国国民への「愛と敬意」を繰り返し強調した。

歌手のケイティ・ペリーも台湾支持派と見なされて問題に。ペリーは15年の台北公演で、ヒマワリ(前年に台湾で起きた抗議運動のシンボル)をモチーフにしたドレスを着用し、台湾の旗をケープのように羽織った。

その後、17年に上海で開催された米ビクトリアズ・シークレットのファッションショーに登場予定だったペリーはビザを申請したものの却下され、「無期限入国禁止」措置の対象と告げられた。

あの世界的歌手も大物監督も排除

歌手・女優のセレーナ・ゴメスは16年、中国への入国が許可されず、広州と上海で予定されていたコンサートをキャンセルした。原因は、14年にダライ・ラマと対面した際の画像をソーシャルメディアに投稿したことだ。

アイスランド出身のシンガーソングライター、ビョークは中国にとって「国家主権」に対する脅威だ。08年の上海公演で、「ディクレア・インディペンデンス(独立を宣言せよ)」と題された曲のパフォーマンス中、ビョークは「チベット!」と連呼。当然ながら中国文化部は即座に、民族間憎悪の扇動を目的とする違法行為と非難した。

モデルのジジ・ハディドも、17年の上海でのビクトリアズ・シークレットのショーに出られなかった。アジア人の顔をかたどった菓子を手にして目を細める動画が出回ったためだ。文化的に極めて無神経(どころか、明らかに人種差別的)な行為とはいえ、中国は対話を図るのでなく、ハディドを締め出すのが一番だと判断したらしい。

中国政府は既に97年の時点で、自国の目標に反対していると見なした欧米の著名人の排除を開始していた。映画監督マーティン・スコセッシはダライ・ラマの半生を描いた『クンドゥン』のせいで、中国の「ブラックリスト」に登録された。同作の脚本を手掛けたメリッサ・マシスン、マシスンの夫だった俳優ハリソン・フォードも同じ目に遭った。

当時、中国はこうしたリストの存在を否定しようとした。だが最近は、はるかに大っぴらに禁止措置を取っている。

もし筆者がほんの少しでも有名なら、この記事を書いたというだけで中国から出禁を食らいそう......。

©2021 The Slate Group

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

NATO燃料網、数百キロ東へ延伸を ロシア有事に備

ワールド

ロシア、イラン指導者殺害を非難 米・イスラエル攻撃

ワールド

中国、中東での停戦仲介継続へ=外相

ビジネス

ウニクレディトCEO、コメルツ銀への提案条件改善を
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 2
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 3
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 4
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 5
    住宅建設予定地に眠っていた「大量の埋蔵金」...現在…
  • 6
    モジタバの最高指導者就任は国民への「最大の侮辱」.…
  • 7
    「ネタニヤフの指が6本」はなぜ死亡説につながったの…
  • 8
    ガソリン価格はどこまで上がるのか? 専門家が語る…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    「危険な距離まで...」豪ヘリに中国海軍ヘリが異常接…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 3
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製をモデルにした米国製ドローンを投入
  • 4
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 5
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 6
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 7
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 8
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 9
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 10
    住宅建設予定地に眠っていた「大量の埋蔵金」...現在…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中