最新記事

陰謀論

バイデンは中国に金をもらって「気象兵器」の実験をした──Qアノン新説

Actress Cirsten Weldon Says China Paid Biden to Test 'Weather Warfare'

2021年4月6日(火)17時03分
ダニエル・ビャレアル
3月下旬にテキサスで発生した巨大砂嵐

3月下旬にテキサスで発生した巨大砂嵐。これも気象兵器か?Shannon Tubb/via REUTERS

<この冬テキサス州を襲った大寒波は中国の気象兵器の仕業で、バイデンは実験の見返りに多額の金銭を受け取ったと主張>

中国はジョー・バイデン米大統領に「何十億ドル」もの金を払って、アメリカで「気象戦争」用の兵器の試験を実施するよう依頼した――Qアノン信奉者で元女優のキルステン・ウェルドンは主張する。この冬にテキサス州を襲った複数の激しい嵐は、この気象兵器によって引き起こされた疑いがあるという。

右翼監視サイトの「ライト・ウィング・ウォッチ」は4月3日、ウェルドンが自らの主張を繰り広げる動画を投稿。この中で彼女は、中国は気象兵器として「海に船舶用の燃料を貯蔵したり、極地上空の気流の渦(極渦)を破壊したり」したと述べた。

「彼らが破壊した極渦がテキサス全域を襲い、大寒波をもたらした」とウェルドンは主張する。

彼女の言う大寒波とは、2月にテキサス州を襲った大雪と記録的な気温低下のことだ。この嵐の影響で送電網が壊れて大規模停電が発生し、400万世帯以上が電気も暖房器具も使えない状態となった。

ウェルドンはさらに、中国は普段は、気象兵器を使ってプエルトリコのアレシボ天文台から「ハリケーンを引き寄せて」いると主張。同天文台は現在、巨大望遠鏡が壊れて閉鎖されているため、エクアドルにある高周波活性オーロラ調査プログラム(HAARP)の施設から気象兵器を発射したと説明した。

HAARPの研究施設では、地球の上空およそ50キロのところにあり太陽エネルギーを吸収する「電離層」で、太陽放射線の観測を行っている。

たびたび過激な陰謀論を主張

「もちろんバイデンは(中国から)事前に何十億ドルもの金を受け取っているし、アメリカ国内での兵器使用を許可したことで、さらに多くの金を手にした」とウェルドンはつけ加えた。

ウェルドンは1991年に公開されたオリバー・ストーン監督の映画『ドアーズ』で「車の中の少女」役を演じた。1990年にはホラー映画『Sorority House Massacre III: Hard to Die』にも「工作員の恋人」役として出演している。殺人鬼が、下着店で棚卸しをしている若い女性5人をストーキングするという話だ。

彼女はその後モデルの仕事を始め、またヨーロッパとアジアの美を取り入れたインテリアデザイナーとしても活躍。その一方で、過激な陰謀論を支持する動画に定期的に登場している。

ウェルドンは過去には、ドナルド・トランプ大統領(当時)が50回以上、暗殺の標的になっていたことを示す機密情報を入手したと主張。トランプは複数のクローンがいるお陰で暗殺を免れたと言っていた。2020年7月には、ユタ州選出のミット・ロムニー上院議員(共和党)の妻が「児童ポルノ動画」をつくったとも主張した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

石破首相「双方の利益になるよう最大限努力」、G7で

ワールド

米中貿易枠組み合意、軍事用レアアース問題が未解決=

ワールド

独仏英、イランに核開発巡る協議を提案 中東の緊張緩

ワールド

イスラエルとイランの応酬続く、トランプ氏「紛争終結
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?...「がん」「栄養」との関係性を管理栄養士が語る
  • 2
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 3
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波でパニック...中国の輸出規制が直撃する「グローバル自動車産業」
  • 4
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 5
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 6
    メーガン妃とキャサリン妃は「2人で泣き崩れていた」…
  • 7
    若者に大不評の「あの絵文字」...30代以上にはお馴染…
  • 8
    ハルキウに「ドローン」「ミサイル」「爆弾」の一斉…
  • 9
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 10
    さらばグレタよ...ガザ支援船の活動家、ガザに辿り着…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 5
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 6
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 7
    今こそ「古典的な」ディズニープリンセスに戻るべき…
  • 8
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 9
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 10
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中