最新記事

ベラルーシ

「欧州最後の独裁者」ベラルーシ大統領の豪邸告発動画で国民の怒りが爆発

Viral Video of Belarus Dictator Lukashenko's Life of Luxury Sparks Outrage

2021年3月12日(金)15時30分
ブレンダン・コール

今回の動画は、他の旧ソ連圏の独裁的な指導者を糾弾するドキュメンタリーと同様、不正蓄財の問題を指摘している。

今年1月、ロシアの反体制派アレクセイ・ナワリヌイが設立した腐敗告発団体FBKが、ドキュメンタリー『Putin's Palace(プーチンの宮殿)』を公開し、ウラジーミル・プーチン大統領が黒海沿岸に豪華な装飾を施した10億ドルの豪邸を所持していると糾弾した。

2014年には、解任されたウクライナのビクトル・ヤヌコビッチ前大統領の豪邸が公開され、色とりどりのシャンデリアや大理石で飾られた内部が明らかになった。

ベラルーシ政府は、今回のドキュメンタリー動画について何もコメントしていないが、ルカシェンコは先週、工場を訪問した際、「私は国家から何も盗んでいない。何も取っていない」と述べた。これは動画公開を事前に牽制した発言と見られている。

さらに「私はこの四半世紀、大統領を務めてきた。もし(彼らの言う通り)数十億ドルの不正蓄財や宮殿があったなら、すでにあらゆる勢力から八つ裂きにされているだろう」と述べた。

今後の運動はどうなる

今回のドキュメンタリーには、ソーシャルメディア上で様々なコメントやジョークが寄せられている。同時に、ルカシェンコが権力を手放さないなかで今後の反体制運動の方向性に関する疑問も持ち上がっている。

「これで抗議デモが勢い付くかどうかは分からないが、これまで政治に関わっていなかった多くの人々の目を開かせたことは確かだ」と、ビチョルカは言う。また、ルカシェンコは宮殿だけでなく、ベラルーシ国内の企業グループも所有していると指摘する。

さらに「(大統領は)全てを管理し、競争相手を憎み、無制限の権力を欲する。26年間の在任中にどこまで腐敗が進んだか、その詳細が解明されようとしている」と語った。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

EU、温室効果ガス40年に90%削減を提案 クレジ

ビジネス

物価下振れリスク、ECBは支援的な政策スタンスを=

ビジネス

テスラ中国製EV販売、6月は前年比0.8%増 9カ

ビジネス

現在協議中、大統領の発言一つ一つにコメントしない=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 2
    ワニに襲われ女性が死亡...カヌー転覆後に水中へ引きずり込まれる
  • 3
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 4
    ワニに襲われた直後の「現場映像」に緊張走る...捜索…
  • 5
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 6
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 7
    世紀の派手婚も、ベゾスにとっては普通の家庭がスニ…
  • 8
    砂浜で見かけても、絶対に触らないで! 覚えておくべ…
  • 9
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 1
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 4
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 5
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 6
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 7
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 8
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 9
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉…
  • 10
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 7
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 8
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中