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コロナ禍を上手く乗り切っているのはどの国か?──50カ国ランキング(2021年2月更新版)

2021年2月19日(金)14時40分
高山武士(ニッセイ基礎研究所)

現在、冬の感染急拡大への対応に追われている国が多いが、一方でワクチン接種も始まっており、ワクチン普及による経済活動平常化への期待も高まっている。

このランキングでは、経済被害についてはコロナショックの深さを図ることを目的に2020年のGDPの落ち込み(ベースラインからの乖離)を推計してきた3。

しかし、感染拡大から1年以上が経過し、ウイルスの収束はなかなか見通せず、新型コロナウイルスとの戦いは長期化しそうである。ロックダウンを実施するとしても、それは一時期的なショックへの対応というよりも、新型コロナとの長期戦における政策手段のひとつ、という位置づけになると見られる。ワクチン接種は長期戦における有力な政策手段となりそうだが、経済成長の観点からは、対面サービス産業における非接触への対応といった構造改革なども問われる段階にあると言えるだろう。

このランキングは短期的なショックを念頭に、コロナ禍に上手く対応できている国を見極めようとしてきたが、今後は、長期戦を前提として各種の政策手段を駆使しつつ対応できる国・適応できる国を見極める段階にきているのかもしれない。

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3 経済被害は2021年以降も生じ得るが、各国間で比較した際の被害の大きさは2020年の被害規模と類似すると考えていた。

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[執筆者]
高山 武士 (たかやま たけし)
ニッセイ基礎研究所
経済研究部准主任研究員

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