最新記事

政権交代

<世論調査>共和党支持者の4人に3人は「バイデンは不正でトランプに勝った」と回答

3 in 4 Republicans Don't Think Joe Biden Won Election Legitimately: Poll

2021年1月19日(火)16時54分
レベッカ・スピアコール

バイデンの不正を許すなと抗議するトランプ支持者(11月4日、ミシガン州ランシング) Emily Elconin-REUTERS

<バイデンが大統領になった後も容易に埋められそうにない分断の実態が浮き彫りに>

共和党支持者のうち4人に3人が、2020年11月の大統領選挙でジョー・バイデン次期大統領が正当に勝利したわけではないと考えていることが、新たな世論調査で明らかになった。

共和党支持者の選挙結果に対する不信の念は、ドナルド・トランプ大統領と共和党議員たちが、不正投票があったとする根拠のない主張を絶え間なく続けたことで増幅されてきた。

連邦最高裁も含む全米の裁判所は、トランプ陣営が選挙結果を覆すことを目指して起こした一連の訴訟を次々と棄却した。選挙で広範な不正があったことを示す十分な証拠がないからだ。それでも、トランプ支持者は不正があったとの主張を拡散し続け、これが1月6日に暴徒が連邦議会議事堂に押し寄せる事件につながった。

共和党を支持すると回答した人たちは、民主党支持者に比べて、アメリカの選挙そのものに対する信頼度も低い傾向にある、とする新たな調査結果もある。

CNNの委託を受けた世論調査会社SSRSが1月9〜14日にかけて実施し、17日に発表した調査結果では、共和党支持者のうち75%が、バイデンが大統領選挙に正当に勝利したとは考えていないという。民主党支持者ではそれがわずか1%、無党派層でも36%で、共和党支持層との深い分断がみてとれる。

半数近くが「リーダーは今後もトランプ」

バイデンが正当な勝者かどうかわからないという共和党支持者6%を除けば、バイデン次期大統領を正当な大統領と認める共和党支持者はわずか19%しかいないことになる。一方、民主党支持者では99%、無党派層では66%が、バイデンが正当に勝利したと考えている。

このCNNの世論調査ではほかにも、共和党がトランプから離れるべきかという問題に関して、支持者の意見が真っ二つに分かれていることわかっている。共和党支持者の48%は、同党はトランプと縁を切るべきだと回答したのに対し、47%は今後もトランプを自分たちのリーダーとして扱うべきだと答えた。

この世論調査結果が発表される前には、バイデンが大統領に就任する20日に、再び暴力的なトランプ支持の武装蜂起が起きるおそれがあると連邦捜査局(FBI)が警告を行っている。

首都に展開する州兵を統括する陸軍長官のライアン・マッカーシーは、バイデン就任式で警備の任にあたる兵士が暴動に加担するおそれもあるとして、州兵指揮官らに対して警戒を促した。

AP通信の報道によると、警備担当の兵士が暴動に協力するのではとの懸念から、バイデン就任式の警備を担当する州兵部隊の数万人について、FBIが身元調査を行っているという。

一方、トランプ自身はバイデンの就任式には出席しない意向で、バイデンが正式に大統領に就任する数時間前にホワイトハウスを後にする計画を立てていると報道されている。

退任するトランプに対しては、メリーランド州にあるアンドルーズ統合基地で退任式典が計画されている。この式典の終了後、トランプは大統領専用機エアフォース・ワンで別荘のあるフロリダに向かう予定だ。

(翻訳:ガリレオ)


ニューズウィーク日本版 台湾有事 そのとき世界は、日本は
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年8月26日号(8月19日発売)は「台湾有事 そのとき世界は、日本は」特集。中国の圧力とアメリカの「変心」に強まる台湾の危機感。東アジア最大のリスクを考える

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

植田総裁、21日から米国出張 ジャクソンホール会議

ビジネス

中国のPEセカンダリー取引、好調続く見通し 上期は

ワールド

マスク氏が第3政党計画にブレーキと報道、当人は否定

ワールド

訪日外国人、4.4%増の340万人 7月として過去
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
2025年8月26日号(8/19発売)

中国の圧力とアメリカの「変心」に危機感。東アジア最大のリスクを考える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに感染、最悪の場合死亡も
  • 2
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人」だった...母親によるビフォーアフター画像にSNS驚愕
  • 3
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家のプールを占拠する「巨大な黒いシルエット」にネット戦慄
  • 4
    【クイズ】2028年に完成予定...「世界で最も高いビル…
  • 5
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 6
    広大な駐車場が一面、墓場に...ヨーロッパの山火事、…
  • 7
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大…
  • 8
    【クイズ】沖縄にも生息、人を襲うことも...「最恐の…
  • 9
    習近平「失脚説」は本当なのか?──「2つのテスト」で…
  • 10
    時速600キロ、中国の超高速リニアが直面する課題「ト…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに感染、最悪の場合死亡も
  • 3
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...「就学前後」に気を付けるべきポイント
  • 4
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 5
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 6
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
  • 7
    「笑い声が止まらん...」証明写真でエイリアン化して…
  • 8
    「長女の苦しみ」は大人になってからも...心理学者が…
  • 9
    「何これ...」歯医者のX線写真で「鼻」に写り込んだ…
  • 10
    【クイズ】次のうち、「海軍の規模」で世界トップ5に…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 8
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 9
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 10
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中