ファイザー新型コロナワクチン、来週イギリスで接種開始へ 英政府が世界最速で承認
一方、米国のアザー厚生長官は、英国の承認で信頼感が増すとして支持を表明。FOXビジネス・ネットワークに対し「別の国の独立規制当局がこのワクチンの安全性と効果性を認可したことは、米国民にとり大きな安心材料となる」と述べた。
米国では、食品医薬品局(FDA)の諮問委員会が10日に緊急使用許可を勧告するか検討する予定。欧州医薬品庁(EMA)は29日までに承認する可能性があるとしている。
ファイザーは、ビオンテックと開発したワクチンに95%の有効性が確認されたとしている。
ファイザーは、英国の緊急使用許可は新型コロナとの戦いにおける歴史的瞬間だと表明。ビオンテックのサヒン最高経営責任者(CEO)は「各国の規制当局に提出したデータは、科学的に厳格かつ高度に倫理的な研究開発プログラムの結果だ」と述べた。
ビオンテックは、FDAとEMAが今月半ばにも決定を下す見通しとした。
有力なワクチン候補としては、ファイザーと同じくメッセンジャーRNA(mRNA)技術を利用した米モデルナのワクチン、英アストラゼネカのウイルスベクターワクチンがある。モデルナは、後期治験で94%の有効性が確認されたと報告。アストラゼネカは平均で70%、最大90%の有効性が判明したとしている。
このほか、中国はすでに3種類の治験中のワクチンに緊急使用許可を出し、7月から約100万人に接種している。ロシアも、国内で開発した「スプートニクV」を最終段階の治験終了を待たずに8月に医療従事者に接種を開始した。プーチン大統領はこの日、国民に対する大規模な新型コロナウイルスワクチン接種を来週開始するよう、当局に命令した。接種は強制ではなく、本人の意思に基づいて行われる。
英国のジョンソン首相の報道官は、ワクチンの安全性を証明するため、首相がテレビ放送でワクチン接種を受ける可能性もあると指摘。ただ、首相よりもワクチン接種が必要な人を優先する考えを示した。
輸送問題
ファイザーがビオンテックと開発したワクチンはメッセンジャーRNA(mRNA)技術に基づくもので、セ氏マイナス70度の超低温でで保管する必要があるため、輸送面での懸念が出ている。
ビオンテックは、ワクチンを温度管理が施された容器に収納して英国に航空機または船舶を利用して出荷すると表明。ビオンテック幹部のショーン・マレット氏によると、ワクチンは通常の冷蔵庫で最大5日間保存が可能。6時間までならセ氏プラス2─8度の環境に置かれても効果は失われない。
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