最新記事

感染症対策

バイデン、政権発足に先駆け新型コロナ対策本部立ち上げ 「マスクで命救おう」

2020年11月10日(火)10時49分

米大統領選で勝利を確実にした民主党のバイデン前副大統領は9日、新型コロナウイルスの対策本部(タスクフォース)を立ち上げた(2020年 ロイター/JONATHAN ERNST)

米大統領選で勝利を確実にした民主党のバイデン前副大統領は9日、新型コロナウイルスの対策本部(タスクフォース)を立ち上げた。1月の就任を前に、米国が直面する危機への対応策を検討する。

対策本部は、ビベック・マーシー前公衆衛生局長官、デービッド・ケスラー元食品医薬局(FDA)長官などが共同議長を務める。バイデン氏は同日、メンバーらと会合を開いた。

バイデン氏は声明で「コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)への対処は、新政権が直面する最も重要な闘いの一つであり、私は科学と専門家から情報を得るつもりだ」と表明した。

また、記者団に対し「今後数カ月間、全員がマスクを着用するだけで何万人もの命が救える。民主党員や共和党員に限らず、米国民の命を救うということだ」とした上で「お願いだから、自分のために、そして周りの人のためにマスクを着用してほしい」と訴えた。

対策本部には、新型コロナ治療薬開発に携わる米厚生省の生物医学先端研究開発局(BARDA)で局長を務め、トランプ政権の対応に懸念を表明して解任されたリック・ブライト氏なども入った。

バイデン氏は、迅速なコロナ検査を広く利用可能にし、感染を抑制・追跡するための部署を立ち上げるほか、脆弱な集団を優先することに注力すると表明。また、承認されたワクチンを「できるだけ早く、できるだけ多くの国民に無料で配布」できるよう努力するとした。

新型コロナワクチンを巡っては、米製薬大手ファイザーがこの日、独バイオ医薬ベンチャーのビオンテックと共同開発するワクチンの臨床試験(治験)で感染を防ぐ有効率が90%以上に達したと発表した。

バイデン氏はこれについて「素晴らしいニュース」だとしながらも「米国で広くワクチンが接種されるまで何カ月もかかるだろう」と指摘。「安全で有効なワクチンに取り組んではいるが、感染防止に最も効果的な方法はマスクを着用することだ」と述べ、マスク着用の重要性を強調した。

*写真を追加しました。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・人民日報、「大差で勝った」と言い張るトランプを笑う
・巨大クルーズ船の密室で横行する性暴力


ニューズウィーク日本版 岐路に立つアメリカ経済
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年6月3日号(5月27日発売)は「岐路に立つアメリカ経済」特集。関税で「メイド・イン・アメリカ」復活を図るトランプ。アメリカの製造業と投資、雇用はこう変わる

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

関税の即刻見直しかなわないなら、合意は困難=日米交

ワールド

トランプ氏、中国の関税合意違反を非難 厳しい措置示

ワールド

中国、ブラジル産鶏肉の輸入全面禁止 鳥インフル発生

ビジネス

マクロ系ヘッジファンドへの関心高まる、市場の変動に
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岐路に立つアメリカ経済
特集:岐路に立つアメリカ経済
2025年6月 3日号(5/27発売)

関税で「メイド・イン・アメリカ」復活を図るトランプ。アメリカの製造業と投資、雇用はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プーチンに、米共和党幹部やMAGA派にも対ロ強硬論が台頭
  • 3
    イーロン・マスクがトランプ政権を離脱...「正直に言ってがっかりした」
  • 4
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が…
  • 5
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 6
    【クイズ】生活に欠かせない「アルミニウム」...世界…
  • 7
    「これは拷問」「クマ用の回転寿司」...ローラーコー…
  • 8
    ワニにかまれた直後、警官に射殺された男性...現場と…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多…
  • 10
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」時代の厳しすぎる現実
  • 3
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多い国はどこ?
  • 4
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 5
    アメリカよりもヨーロッパ...「氷の島」グリーンラン…
  • 6
    デンゼル・ワシントンを激怒させたカメラマンの「非…
  • 7
    「ディズニーパーク内に住みたい」の夢が叶う?...「…
  • 8
    友達と疎遠になったあなたへ...見直したい「大人の友…
  • 9
    ヘビがネコに襲い掛かり「嚙みついた瞬間」を撮影...…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 5
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 6
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 7
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 8
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 9
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 10
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中