最新記事

アメリカ社会

悪気はないのに黒人差別となじられた寿司店オーナーの嘆き

Black Couple Say Restaurant Asked Them to Leave Because Man Wore Sneakers

2020年10月30日(金)14時40分
メーガン・ルース

男性客は「あからさまな人種差別だ」と訴えた Everything Georgia/TWITTER

<アトランタの高級寿司レストランが黒人カップルの入店を断ったのは「ドレスコード違反」のためだったのだが>

ジョージア州アトランタで先週、ある黒人カップルが寿司レストランで食事をしようとして入店を断られ、人種差別だという騒ぎになった。入店を断った理由はドレスコード違反だったが、レストランのオーナーは本誌に対し、事態を悪化させたのは自分の責任だと語った。

問題の寿司レストランは、アトランタのバックヘッド地区にある「Umi」。カップルが入店を断られた時の様子を捉えた動画がツイッターに投稿され、ネット上で拡散された。1分程の動画には、白いスニーカーを履いた男性客が退店を求められ、「あからさまな人種差別だ」と抗議する様子が映っている。

Umiのウェブサイトには、スニーカーや野球帽、運動着やスポーツ用のジャージはドレスコード違反にあたると明記されている。男性の場合、半ズボンやビーチサンダル、タンクトップも禁止だ。「店内での着用お断り」の衣服や靴のリストの上には、赤い文字で「ドレスコードは厳格に適用します」と書かれている。

オーナーのファルシド・アーシッドは本誌に対し、Umiでは今回入店を断られたカップルが利用したレストラン予約サイト「オープンテーブル」にもドレスコードを明記し、顧客に注意を促していると語った。さらに店員が顧客に予約確認の電話をする際にも、ドレスコードについて改めて説明しているという。

反人種差別運動が吹き荒れているのに

しかし入店を断られた男性客の妻は地元テレビ局WAGA-TVの取材に対し、問題はドレスコードではなく、店内にいたほかの女性客もスニーカーを履いていたのに、自分たちだけが入店を断られたことだと語った。

動画の中で男性客は、レストランの従業員に「こんなのはおかしい」と訴えている。「彼女はアディダスのスニーカーを履いているじゃないか。あれは許されるのか?」動画は白人女性の足元をアップで映す。

またこのカップルによれば、男性は以前にもスニーカーを履いてUmiを訪れているが、これまで入店を断られたことはなかったという。

動画の中で男性は、退店を求められてドアの方に案内されながら、この問題について店内で話し合いたいと従業員に求め、さらに「これはあなた方が自ら招いた問題だ」としてこう続けた。「これはあからさまな人種差別だ。彼女はアディダスを履いているじゃないか」

アーシッドは本誌に対して「対応がまずかった」と認め、10月23日にこの問題が発覚した後、すぐにカップルに連絡して謝罪したと語った。

「対応を誤ったのは確かです」と彼は述べた。「暗いニュースが多くてみんなが張り詰めた雰囲気の中にいる今こそ、私たちはもっと優れた対応をすべきでした」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

再送フーシ派がイスラエル攻撃、イエメンの親イラン武

ワールド

再送-UAEのアブダビで5人負傷、火災も発生 ミサ

ワールド

タイ新政権、来週発足へ アヌティン首相が表明 

ビジネス

中国の大手国有銀3行、25年の利益ほぼ横ばい 不動
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:BTS再始動
特集:BTS再始動
2026年3月31日号(3/24発売)

3年9カ月の空白を経て完全体でカムバック。世界が注目する「BTS2.0」の幕開け

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度を決める重要な要素とは?
  • 2
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?...「単なるホラー作品とは違う」「あの大作も顔負け」
  • 3
    オランウータンに「15分間ロックオン」された女性のSNS動画が拡散、動物園で一体何が?
  • 4
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が…
  • 5
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 6
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反…
  • 7
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 8
    ヒドラのように生き延びる...イランを支配する「革命…
  • 9
    ウィリアム皇太子が軍服姿で部隊訪問...「前線任務」…
  • 10
    「酷すぎる...」ショッピングモールのゴミ箱で「まさ…
  • 1
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ海峡封鎖と資源価格高騰が業績を押し上げ
  • 2
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 3
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店員も「なすすべなし」の暴走モード
  • 4
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」…
  • 5
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆…
  • 6
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」…
  • 7
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 8
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終…
  • 9
    【クイズ】2年連続で「世界幸福度ランキング」で最下…
  • 10
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 6
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中