最新記事

偏見

黒人プラスサイズのヌードを「ポルノ」としてインスタグラムが削除

Instagram Changes Nudity Policy After Deleting Black Plus-Size Model's Photo

2020年10月27日(火)18時05分
ゾーイ・ドレウェット

問題の写真を撮影したカメラマンのアレクサンドラ・キャメロンと、活動家のジーナ・マーティンも、ニコラス=ウィリアムズを支持。3人は3カ月にわたって写真の削除に抗議し、インスタグラムに変革を働きかけた。キャメロンは、自分の撮影した写真が削除されたことも不快だったが、最大の衝撃は「アルゴリズムによって、特定の人物の身体が削除された」ことだったという。「黒人のプラスサイズの女性が最もその標的にされ、写真を削除される可能性が高いことが、私たちにとって一番の問題だった。彼女たちはどこであれ、特にインスタグラム上では、自由に自分を表現できるべきだ」

インスタグラムにポリシー変更を求める運動は、驚くほど大勢の人からの支持を得たとキャメロンは言う。「自分たちの運動がこれほど勢いを得られるとは思わなかった。ナイオムと彼女の写真の素晴らしさがその大きな要因だと思う。彼女の写真が削除されたことに、大勢の人が私たちと同様にショックを受けたのだ」

SNSで覗き見を犯罪に

2019年にイギリスで「アップスカーティング(スカートの中を盗撮する行為)を犯罪と見なす法律を成立に導いたマーティンは、インスタグラムにポリシー変更を求める運動のことを知るとすぐに、協力を決めた。イギリスの議員たちを説得した経験から、世界最大のソーシャルメディア帝国に立ち向かうのに必要なスキルを得たと彼女は言う。「#IWantToSeeNyome」のハッシュタグと共に、インスタグラム上に運動を広めたのも彼女のアイデアだ。

「私にも経験があるが、ポリシーを変える力を持っている人々の注意を引くのはとても難しい」とマーティンは言う。だが彼女はそれを成し遂げ、インスタグラムのポリシー担当者や、最終的にはインスタグラムの責任者であるアダム・モッセーリとのミーティングを実現させた。

「彼はナイオムの意見に真剣に耳を傾けてくれた。それが前向きな変化につながった」と彼女は言う。「この変化が今後、黒人のプラスサイズの女性たちに大きな影響を及ぼすことを願っている」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米雇用4月17.7万人増、失業率横ばい4.2% 労

ワールド

カナダ首相、トランプ氏と6日に初対面 「困難だが建

ビジネス

デギンドスECB副総裁、利下げ継続に楽観的

ワールド

OPECプラス8カ国が3日会合、前倒しで開催 6月
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 2
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 3
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 4
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 5
    目を「飛ばす特技」でギネス世界記録に...ウルグアイ…
  • 6
    宇宙からしか見えない日食、NASAの観測衛星が撮影に…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    金を爆買いする中国のアメリカ離れ
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 8
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 9
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 10
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中