最新記事

偏見

黒人プラスサイズのヌードを「ポルノ」としてインスタグラムが削除

Instagram Changes Nudity Policy After Deleting Black Plus-Size Model's Photo

2020年10月27日(火)18時05分
ゾーイ・ドレウェット

だが運動が成功してインスタグラムのポリシーが変更された後も、ニコラス=ウィリアムズは自分の存在が一連の議論から「消され続けて」いると感じている。今回の運動は各国で報じられているが、運動を率いた人物として取り上げられているのは彼女ではなく、オーストラリアの白人インスタグラマー、セレステ・バーバーだ。あるセミヌードの有名モデルとまったく同じポーズで撮った写真がインスタグラムで「性的コンテンツ」とみなされ表示できなくされたのだ。

「問題が『白人化』されている」と、ニコラス=ウィリアムズは言う。「ポリシーが変更されたことは嬉しいが、本当に問題が改善されたとは思えない。セレステが差別に反対するのは構わない。でも、いちばん削除されているのは、黒人女性の体の画像だ」

インスタグラムは、削除されたニコラス=ウィリアムズの写真はどんな体型も美しいというメッセージを意図した投稿だったことを認め、「当社のポリシーが正しく適用されなかった」と述べた。

安心して自己表現できる場所に

だが、裸が何でも許されるわけではない。声明の中でインスタグラムは、乳房を手で支える行為は許されるが、「どこかで線引きをしなければならない」と述べた。「指を曲げて、乳房をわしづかみにするような動きがみられる場合には」規程違反と見なされるという。

インスタグラムのポリシー担当責任者であるキラ・ウォン・オコナーは、次のように述べた。「自分の体や画像が受け入れられると感じられれば、人々はこれまで以上に自分を表現しようと思えるだろう。ナイオムが自分の経験をオープンに、正直に話してくれたことに感謝しているし、今回のポリシー変更でこれまで以上に多くの人が、自信を持って自分を表現できるようになることを願っている」

同社はまた、既に「インスタグラム上で、これまで以上に黒人コミュニティーをサポートしていく」努力をしているという。

ニコラス=ウィリアムズは、ポリシー変更は「大きな一歩」だと述べ、新たなポリシーが今後、すべてのプラスサイズ体型の黒人女性を守ってくれることを期待していると語った。「自分の体が検閲される心配をすることなく、アートを共有できると感じられるようになることが願いだ」と彼女は言った。「それが私にとって一番大切なことだ」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

台湾閣僚、「中国は武力行使を準備」 陥落すればアジ

ワールド

米控訴裁、中南米4カ国からの移民の保護取り消しを支

ワールド

アングル:米保守派カーク氏殺害の疑い ユタ州在住の

ワールド

米トランプ政権、子ども死亡25例を「新型コロナワク
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人に共通する特徴とは?
  • 2
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェイン・ジョンソンの、あまりの「激やせぶり」にネット騒然
  • 3
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる」飲み物はどれ?
  • 4
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「火山が多い国」はどこ?
  • 8
    村上春樹は「どの作品」から読むのが正解? 最初の1…
  • 9
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 10
    腹斜筋が「発火する」自重トレーニングとは?...硬く…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 5
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 6
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 7
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 6
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 7
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 10
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中