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効果上がるアメリカのリモート診療 コロナ禍による規制緩和が活用後押し

2020年9月23日(水)19時58分

その日、つまり3月6日金曜日に、カーショーヘルス病院の最高医療責任者であるホルムストローム医師は、車で帰宅する途中、電話でその知らせを受けた。それから数日間で6人の感染が判明し、4人が入院した。

カムデンのICUは数週間にわたって満床となり、医療スタッフは、通常の重症患者に加えてCOVID-19患者の対応にてんてこ舞いになった。ホルムストローム医師によれば、戦没者追悼記念日の前後には入院状況も落ち着いたが、7月、そして8月の大半を通じて増加したという。

カーショー郡のビック・カーペンター行政委員は、「これほど小さな町で1日に32人も病気にかかるというのは非常に多い」と話す。

自分が生まれた病院で働いているホルムストローム医師にとっては、悲喜こもごもの日々だった。親友の1人が6週間もの入院を経て今やすっかり元気になったかと思えば、他の複数の患者については、家族に別れを告げるための最後のビデオ通話を用意することになった。

カーショーヘルスでは、この秋また患者が急増する事態に備えている。そのときはまた、遠隔医療の医師たちに多忙な病院スタッフの支援を頼む予定だ。

ホルムストローム医師は、「誰かがいつも背後にいて、私たちの治療のすべてを見渡しているような感じだ」と語る。

Chad Terhune(翻訳:エァクレーレン)

[ロイター]


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