最新記事

ドイツ

極右、反ワクチン、家族連れが入り乱れる奇妙なドイツのコロナ対策抗議デモ

2020年9月10日(木)16時30分
モーゲンスタン陽子

参加者の中には「右翼思想には反対だが、(市民生活への政府の干渉という)基本的人権の侵害には反対」などという人も多い。だが、そもそもドイツの規制はヨーロッパの他国に比べ、ゆるい方だ。マスク着用を怠った場合の罰金(50ユーロ)が導入されたのもつい最近のことだ。夏のバカンスをこよなく愛する欧州人たちの大移動と学校再開に伴い、いったん落ち着いていた感染状況が4月並みに戻っている今、むしろこの程度の規制で大丈夫なのか、とも思う。

加えて、反メルケル主義者、反ワクチン主義者、年老いたヒッピー風など......さまざな考えを持つ人々が雑多に集まった集団にニューヨークタイムズのオピニオン欄で疑問が呈されている。

米国の団体の参加も

今回のデモでは、反ワクチン運動を率いるロバート・F・ケネディ・ジュニア(ロバート・F・ケネディの息子)、米国で勢いを増す陰謀論グループQAnon(Qアノン)、シュトゥットガルトの反新型コロナ制限団体Querdenken 711など、組織だった参加者も目立った。

抗議者たちの大半は右翼の真の信者ではない、とベルリン工科大学の社会学者、サイモン・テウネは言う(ニューヨークタイムズ)。かといって、ロックダウンの影響で経済的に悪影響を受けた人々、例えばサービス業で職を失った人々が抗議に集まっているわけではない。「私の印象では、これらはおもに平均以上の教育を受けている中産階級の人々だ」とテウネは言う。右翼思想が通常低学歴層に多く見られるのと対照的だ。また、デモは統合には程遠く、「彼らには共通の目標が欠けている」とも指摘する。


Berlin police try to shut down protest against coronavirus restrictions | DW News

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

韓国中銀総裁、ウォン安を懸念「経済ファンダメンタル

ワールド

中国百度のAI半導体部門、香港上場を申請

ワールド

金正恩氏娘が宮殿初訪問、両親の間に立つ写真 後継ア

ワールド

韓国大統領が4日訪中、両国関係の「新たな章」期待 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチン、その先は袋小路か
  • 2
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙」は抑止かそれとも無能?
  • 3
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめる「腸を守る」3つの習慣とは?
  • 4
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 5
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 6
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 7
    【現地発レポート】米株市場は「個人投資家の黄金時…
  • 8
    日本人の「休むと迷惑」という罪悪感は、義務教育が…
  • 9
    「断食」が細胞を救う...ファスティングの最大効果と…
  • 10
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 5
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 8
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 9
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中