最新記事

中国軍

中国の新型ステルス戦闘機FC-31の飛行写真?がウェイボーに出現

Unverified Photo Reportedly Shows China's Stealth Fighter Rival to American F-35

2020年9月9日(水)17時15分
デービッド・ブレナン

広東省珠海市の航空ショーに展示されたFC-31の輸出用モデル(2016年11月3日) Tim Hepher−REUTERS

<中国で開発中の第5世代ステルス戦闘機FC-31の姿がはっきりわかる画像がソーシャルメディアに登場した。アメリカのライバルF-35との違いは>

中国の新型ステルス戦闘機の画像がソーシャルメディアで公開された。未確認ながら、中国政府がアメリカの最新鋭ステルス戦闘機F-35のライバル機として開発を続けている戦闘機の全貌が最もよくわかる画像かもしれない。

サウスチャイナ・モーニング・ポストは7日、中国瀋陽飛機工業集団が製造するFC-31ステルス戦闘機の試験飛行中の画像が、中国のソーシャルメディア微博(ウェイボー)にアップロードされたと報じた。

webw200909-stealth.jpg

ソーシャルメディアに投稿されたテスト飛行中のFC-31ステルス戦闘機の写真。WEIBO


FC-31はJ-20に続く中国の第2の第5世代戦闘機で、2012年10月に初飛行をしている。中国からの報道によれば、FC-31は現在製造中の新型空母に配備される艦載機の主力となる可能性があるという。

FC-31の以前のプロトタイプでは、機首部分に航空機と大気の相対速度を測る対気速度測定装置が取り付けられていたが、最新モデルではなくなっているようだ。これは最新のアビオニクス(飛行用の電子機器)を搭載したからではないか、とポストは報じている。また同紙によれば、FC-31のコックピット上のキャノピーはさらにJ-20に似た形状になり、風の抵抗を軽減するために改良されている。

しかしエンジンは以前のプロトタイプと同様に、WS-13エンジンを2基搭載しているらしい。これは70年代のソビエトの設計以来、基本的に変わっておらず、FC-31がまだアメリカの最先端の第5世代戦闘機F-35と同じレベルにはないことを示しているのかもしれない。

新型空母の主力機に

2012年の処女飛行以来、FC-31は数々の航空ショーで紹介されてきたが、製造元の中国航空工業集団(AVIC)はまだ1件も受注していない。中国空軍もFC-31をまだ発注していない。

AVICは、FC-31を中国の新型空母に適した戦闘機にしようとしていると報じられている。現在配備されている空母遼寧と山東では、戦闘機はスキージャンプ式で発艦するが、新型空母はカタパルト発艦が可能なシステムを備えることになっている。

FC-31はJ-20ステルス戦闘機よりも小さく軽量で、海軍での運用に適している。カタパルトの発艦システムには、現在、中国海軍に配備されている唯一の海軍専用戦闘機J-15よりも高度な戦闘機が必要になる。

AVICは、来年にも新しいFC-31の海軍専用モデルのテスト飛行を開始する予定だ。

FC-31はF-35の対抗機として設計されているので、主な仕様はほとんど同じ。FC-31の最大離陸重量は27トン、戦闘行動半径は1200キロ、最高速度はマッハ1.8(時速2200キロ)だ。

一方、F-35の最大離陸重量は29~35トン、航続距離は2200キロ、最高速度はマッハ1.6(時速約2000キロ)。FC-31は最大約9トンの武器を搭載でき、F-35は7.4トンから9トンといわれている。

<参考記事>中国ステルス機2機が中印国境に到着、空中戦準備の可能性も
<参考記事>ロシア爆撃機がアラスカに接近、米戦闘機がインターセプト

中国からの「謎の種」、播いたら生えてきたのは......?
ハチに舌を刺された男性、自分の舌で窒息死
老化しない唯一の哺乳類、ハダカデバネズミ「発見」の意味
コロナ感染大国アメリカでマスクなしの密着パーティー、警察も手出しできず

20200915issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

9月15日号(9月8日発売)は「米大統領選2020:トランプの勝算 バイデンの誤算」特集。勝敗を分けるポイントは何か。コロナ、BLM、浮動票......でトランプの再選確率を探る。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国万科、債権者が社債償還延期を拒否 デフォルトリ

ワールド

トランプ氏、経済政策が中間選挙勝利につながるか確信

ビジネス

雇用統計やCPIに注目、年末控えボラティリティー上

ワールド

米ブラウン大学で銃撃、2人死亡・9人負傷 容疑者逃
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 4
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 5
    現役・東大院生! 中国出身の芸人「いぜん」は、なぜ…
  • 6
    「前を閉めてくれ...」F1観戦モデルの「超密着コーデ…
  • 7
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 8
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 9
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 10
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 7
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 8
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中