最新記事

感染爆発

米、新型コロナ感染25日に約4万人で過去最多に テキサス州は経済再開を中断

2020年6月26日(金)12時21分

米テキサス州のアボット知事は25日、新型コロナウイルスの感染者や入院患者が急増していることを受け、州の段階的な経済再開を一時停止すると表明した。オースティンで5月撮影(2019年 ロイター/NURI VALLBONA)

米テキサス州のアボット知事は25日、新型コロナウイルスの感染者や入院患者が急増していることを受け、州の段階的な経済再開を一時停止すると表明した。

米国ではテキサス州のほかにも、当初感染がそれほど広がらなかった州や、行動制限を早期に緩和した州でこのところ感染者が増加している。

25日は全米で感染者が少なくとも3万9818人増加し、1日当たりの感染者としては過去最多を記録した。

テキサス州ではアボット知事が「州の経済再開を次の段階に安全に移行させるまで、今回の一時的な停止は感染を食い止める一助になる」と述べた。

これまでの段階で営業が許可された企業は、指定された稼働水準や従来の衛生最低基準の下で営業を継続できるとした。

テキサス州の人口は全米で2番目に多く、一日のコロナ感染者は過去3日連続で5000人を超えるなど増加が目立っている。州のコロナ検査での陽性率は10%に上昇しており、2桁の陽性率が見られる州の一つとなっている。

新規の入院者数も13日連続で最多を記録しており、アボット知事はヒューストン、ダラス、オースティン、サンアントニオで病床を確保するため不要不急の手術を停止した。

今週はアラバマ、アリゾナ、カリフォルニア、フロリダ、アイダホ、ミシシッピ、ミズーリ、ネバダ、オクラホマ、サウスカロライナ、ワイオミングの各州でも新規感染者が過去最多を記録した。

アザー米厚生長官はFOXニュースのインタビューで「州・地方当局者と積極的に協力しているが、国民はこれが局地的な状況だと理解することが重要だ。ホットスポットとなっているのは全米の郡の3%だ」と強調し、全米での懸念の払しょくに努めた。

南部・西部が流行中心地に

流行の中心は3万1000人以上の死者が出た東部ニューヨーク州周辺から西部や南部に移っており、人口密度の比較的低い農村部でも感染が広がっている。

オレゴン州やユタ州も行動制限の緩和を一時停止するか遅らせる措置を取った。

カリフォルニア州のニューソム知事は、新型コロナの対応費用や景気低迷が財政を圧迫しているとして、財政非常事態を宣言した。

同州が25日に発表した新規感染者は約5350人と、前日の7149人を下回ったものの、集中治療室の病床利用率は前日の29%から約34%に上昇した。

一方、ニューヨーク州のクオモ知事は25日、同州の新型コロナ入院者数が996人と、3月18日以来初めて1000人を下回り、ウイルス感染拡大抑制で重要な節目を達成したと明らかにした。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【関連記事】
・コロナに感染して免疫ができたら再度感染することはない?
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・東京都、新型コロナウイルス新規感染48人を確認 今月5度目の40人超え
・韓国、日本製品不買運動はどこへ? ニンテンドー「どうぶつの森」大ヒットが示すご都合主義.


20200630issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年6月30日号(6月23日発売)は「中国マスク外交」特集。アメリカの隙を突いて世界で影響力を拡大。コロナ危機で焼け太りする中国の勝算と誤算は? 世界秩序の転換点になるのか?

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米韓が貿易協定に合意、相互・車関税15% 対米投資

ワールド

タイ財務省、今年の経済成長率予想を2.2%に小幅上

ビジネス

中国製造業PMI、7月は49.3に低下 4カ月連続

ワールド

米、カンボジア・タイと貿易協定締結 ラトニック商務
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ関税15%の衝撃
特集:トランプ関税15%の衝撃
2025年8月 5日号(7/29発売)

例外的に低い日本への税率は同盟国への配慮か、ディールの罠か

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 2
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目にした「驚きの光景」にSNSでは爆笑と共感の嵐
  • 3
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから送られてきた「悪夢の光景」に女性戦慄 「這いずり回る姿に衝撃...」
  • 4
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 5
    【クイズ】1位は韓国...世界で2番目に「出生率が低い…
  • 6
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 7
    一帯に轟く爆発音...空を横切り、ロシア重要施設に突…
  • 8
    M8.8の巨大地震、カムチャツカ沖で発生...1952年以来…
  • 9
    街中に濁流がなだれ込む...30人以上の死者を出した中…
  • 10
    「自衛しなさすぎ...」iPhone利用者は「詐欺に引っか…
  • 1
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 2
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの習慣で脳が目覚める「セロ活」生活のすすめ
  • 3
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜つくられる
  • 4
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
  • 5
    航空機パイロットはなぜ乗員乗客を道連れに「無理心…
  • 6
    中国が強行する「人類史上最大」ダム建設...生態系や…
  • 7
    「様子がおかしい...」ホテルの窓から見える「不安す…
  • 8
    【クイズ】1位は韓国...世界で2番目に「出生率が低い…
  • 9
    タイ・カンボジア国境で続く衝突、両国の「軍事力の…
  • 10
    中国企業が米水源地そばの土地を取得...飲料水と国家…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 4
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 5
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの…
  • 6
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 7
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜…
  • 8
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 9
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 10
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中