最新記事

日本政治

検察庁法改正案、委員会採決を持ち越し 野党は担当相の不信任案提出

2020年5月15日(金)17時43分

検察官の定年を引き上げる検察庁法改正案を審議していた衆議院内閣委員会は15日、採決をせず、散会した。写真は国会議事堂。東京で2016年7月に撮影(2019年 ロイター/Toru Hanai)

検察官の定年を引き上げる検察庁法改正案を審議していた衆議院内閣委員会は15日、採決をせず、散会した。立憲民主党など野党が武田良太国家公務員制度担当相の委員会答弁が説明責任を果たしていないとして、不信任決議案を衆院に提出したため。同法案を巡ってはツイッター上で多数の抗議の声が上がったほか、検察OBが反対の意見書を法務省に提出、与党内からも一部異論が出ている。法案の採決は来週以降に持ち越された。

検察庁法改正案は、検事総長以外の検察官の定年を現在の63歳から65歳にする内容。内閣が認めれば次長検事や検事長ら幹部は最長66歳まで留任、検事総長は68歳まで延長可能となる。

これまで衆院内閣委員会で審議されてきたが、与野党は14日、検察庁を所管する森雅子法相が出席することで15日に審議する日程で合意。与党側は同日中に委員会採決を行い、来週の衆院通過を目指していた。

野党側は、内閣が定年を延長する際の基準が明確に示せないのであれば、改正案は恣意的に運用される可能性があり三権分立を脅かすと批判し、後藤祐一委員(立国社)などが基準について質問。これに対して森法相は「今後定めていく事由については人事院規則に準じて定めてまいりたいと思うので、今すぐ出すことは困難」など答弁した。

安倍晋三首相は14日の記者会見で法改正により「三権分立が侵害されることはなく、恣意的な人事が行われることは全くないと断言したい」と説明している。

(竹本能文※)

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20050519issue_cover_150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年5月19日号(5月12日発売)は「リモートワークの理想と現実」特集。快適性・安全性・効率性を高める方法は? 新型コロナで実現した「理想の働き方」はこのまま一気に普及するのか? 在宅勤務「先進国」アメリカからの最新報告。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=反発、アマゾンの見通し好感 WBDが

ビジネス

米FRBタカ派幹部、利下げに異議 FRB内の慎重論

ワールド

カナダはヘビー級国家、オンタリオ州首相 ブルージェ

ビジネス

NY外為市場=ドル/円小動き、日米の金融政策にらみ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    必要な証拠の95%を確保していたのに...中国のスパイ…
  • 7
    【クイズ】12名が死亡...世界で「最も死者数が多い」…
  • 8
    海に響き渡る轟音...「5000頭のアレ」が一斉に大移動…
  • 9
    【ロシア】本当に「時代遅れの兵器」か?「冷戦の亡…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 7
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 10
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 8
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 9
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中