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米中関係

コロナ禍の今、米中衝突の危機はそこまで迫っている

THE BLAME GAME

2020年5月13日(水)18時20分
ミンシン・ペイ(本誌コラムニスト、クレアモント・マッケンナ大学教授)

イデオロギー対立が生む敵対心、貿易戦争の長期化、地政学的な対立──これらが両国関係をさらに悪化させる要因になるだろう。米議会では安全保障関連製品の生産を中国から米国内に移すことを義務付ける法案が成立する見込みだ。トランプ政権は中国への新たな制裁を検討しているという。

こうした懲罰的外交は世論の支持を得やすい。だとすると焦点は政権がどれくらい厳しい制裁を打ち出すかだが、自らの政治生命の危うさを考えればトランプが手加減するとは考えにくい。秋の大統領選で、米中関係は最も重要な外交上の争点になる。

習近平(シー・チンピン)国家主席も引き下がるつもりはなさそうだ。4月初めの共産党中央政治局常務委員会で習は「最低ラインを守る考え」を堅持し、「外部環境の変化」に備えると語った。「最低ライン」が何を意味するかは定かでないが、アメリカには報復をもって臨むという意味だと考えていいだろう。

世界が共通の脅威にさらされている今、米中冷戦の悪化は最も避けたい事態だ。だが、衝突の危機はそこまで迫っている。

©Project Syndicate

<本誌2020年5月19日号掲載>

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