最新記事

芸能

NEWS手越祐也「活動自粛」に見るジャニーズ事務所の危機管理能力

2020年5月28日(木)17時00分
木村 隆志(コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者) *東洋経済オンラインからの転載

ジャニーズ事務所に対しても厳しい声が上がっている REUTERS / KIM KYUNG HOON

5月26日午後のワイドショーは、緊急事態宣言が解除された新型コロナウイルスの話題を差し置いて、各番組が「手越祐也 活動自粛」をトップニュースで報じました。

ネット上にもSNSやニュースのコメント欄に批判的な声が殺到。「自粛ではなく退所にしてほしい」「今までが甘やかしすぎで自業自得」「これでも反省しないだろう」「まだまだ余罪が出てきそう」などの批判ばかりで、擁護の声がほぼ見られませんでした。この事実にこれまで積み重ねてきた不信感が垣間見えます。

これまで手越さんは週刊誌にお酒や女性絡みの記事を繰り返し報じられ、その数はすでに10回を超えていました。さらに、今年3月下旬に安倍昭恵総理夫人と花見会、4月下旬に女性たちを自宅に呼んでパーティーを開催、5月下旬に六本木のラウンジやバーで女性たちと飲んでいたことが発覚。いずれも日本中の人々が外出自粛をしていたときだけに、批判の声が飛び交うのも無理はありません。

私は手越さんが所属するNEWSへの共同インタビューや、出演バラエティ「世界の果てまでイッテQ!」(日本テレビ系)などの取材で3回会ったことがあるだけですが、当時の様子からいくらかの危うさを感じていました。手越さんは実際に会うとテレビ番組での姿よりもオーラがあり、魅力的に見える反面、「その言動と周囲の扱いが悪い方向に進まなければいいな」と不安視してしまったのです。

だからこそ今回の件は手越さん個人だけに非があるとは思えず、所属事務所や起用した番組サイドの問題も含めて考えることにしてみました。「なぜ活動自粛の状態に至ってしまったのか?」という経緯や心理を掘り下げていくと、一般的なビジネスシーンとの共通点が浮かび上がってきたのです。

問題行動を正さない組織にも責任あり

手越さんが問題行動を繰り返してしまったのは、プロ意識と責任感の欠如、危機管理意識の薄さからくるものであることは否めません。取材したときも、明るく礼儀正しい対応をしてくれた一方で、「それはこうですよね」「絶対にそうですよ」などと主観で決めつけるような口調が気になりました。サービス精神たっぷりにチャラ男キャラのコメントで押し通すのはいいとしても、人気アイドルにしては無防備な話し方を心配してしまったのです。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

インド・カナダが首脳会談、2年間の緊張関係を修復へ

ワールド

ウクライナ各地に大規模攻撃、18人死亡 首都の死者

ビジネス

トランプ氏、TikTok米事業売却期限延長へ 3回

ワールド

韓国大統領、石破首相と会談 「未来志向で協力」呼び
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:コメ高騰の真犯人
特集:コメ高騰の真犯人
2025年6月24日号(6/17発売)

なぜ米価は突然上がり、これからどうなるのか? コメ高騰の原因と「犯人」を探る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロットが指摘する、墜落したインド航空機の問題点
  • 2
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越しに見た「守り神」の正体
  • 3
    イタリアにある欧州最大の活火山が10年ぶりの大噴火...世界遺産の火山がもたらした被害は?
  • 4
    若者に大不評の「あの絵文字」...30代以上にはお馴染…
  • 5
    50歳を過ぎた女は「全員おばあさん」?...これこそが…
  • 6
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 7
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?.…
  • 8
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 9
    コメ高騰の犯人はJAや買い占めではなく...日本に根…
  • 10
    ホルムズ海峡の封鎖は「自殺行為」?...イラン・イス…
  • 1
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロットが指摘する、墜落したインド航空機の問題点
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 4
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 5
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタ…
  • 6
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 7
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?.…
  • 8
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 9
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 3
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 4
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 5
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 6
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 7
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 8
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 9
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中