最新記事

感染爆発

米、新型コロナウイルス死者5万人突破 朝鮮戦争での戦死者数を上回る

2020年4月25日(土)09時22分

4月24日、ロイターの集計で米国で24日、新型コロナウイルス感染症による死者が5万人を突破したことが分かった。米国の新型コロナ死者数は世界最多。1950年代の朝鮮戦争で死亡した米国人の数を上回った。写真は4月24日、米ウイスコンシン州で(2020年 ロイター/Shannon Stapleton)

ロイターの集計によると、米国で24日、新型コロナウイルス感染症による死者が5万人を突破した。死者数は過去10日で倍増し、4月の1日当たり死者は平均約2000人となる。

米国での新型コロナ死者数は世界最多で、1950年代の朝鮮戦争で死亡した米国人の数を上回った。

州別ではニューヨーク州の死者数が全体の約40%を占め、ニュージャージ、ミシガン、マサチューセッツの各州が続く。

また、大半の州が病院や高齢者施設で死亡した感染者のみを集計し、自宅で死亡した感染者を含めていないため、実際の死者数はさらに多い可能性が高い。

米国の感染者数は累計87万5000人超。

こうした中、南部ジョージア州は同日、全米の先陣を切り、新型コロナ流行で休止状態にある経済活動の一部再開に踏み切り、スポーツジムや美容室、入れ墨店などの営業が再開された。

トランプ大統領は今週、同州のケンプ知事が一部の経済活動を月内に再開すると決めたことは時期尚早として、知事に異議を唱えたと明らかにしていた。

しかし、AP通信は前日、米政権高官2人の情報として、トランプ大統領とペンス副大統領が先に経済再開計画を容認する旨をケンプ氏に複数回伝えていたと報じた。トランプ大統領はその後、スタンスを翻したという。

ジョージア州に加え、オクラホマ州も同日一部ビジネスを再開。フロリダ州は先週、閉鎖していた一部ビーチを州民に開放している。サウスカロライナ州は週明け27日に、州民の行動規制の緩和を開始する見通し。

米疾病対策センター(CDC)によると、23日時点の米国の新型コロナ感染者は前日から3万7144人増の86万5585人。死者数も2437人増え、4万8816人になった。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・長崎港のクルーズ船「コスタ・アトランチカ」新たに57人の新型コロナウイルス感染 計148人に
・新型コロナウイルスは日光・高温・多湿で威力弱まる=米政府研究
・NY州民3000人検査で14%に抗体確認 新型コロナウイルス感染270万人か
・新型コロナウイルス感染症で「目が痛む」人が増えている?


20200428issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年4月28日号(4月21日発売)は「日本に迫る医療崩壊」特集。コロナ禍の欧州で起きた医療システムの崩壊を、感染者数の急増する日本が避ける方法は? ほか「ポスト・コロナの世界経済はこうなる」など新型コロナ関連記事も多数掲載。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

インドGDP、7─9月期は前年同期比8.2%増 予

ワールド

今年の台湾GDP、15年ぶりの高成長に AI需要急

ビジネス

伊第3四半期GDP改定値、0.1%増に上方修正 輸

ビジネス

独失業者数、11月は前月比1000人増 予想下回る
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 3
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 4
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 5
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 6
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 7
    「攻めの一着すぎ?」 国歌パフォーマンスの「強めコ…
  • 8
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 9
    がん患者の歯のX線画像に映った「真っ黒な空洞」...…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 3
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 4
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 5
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 6
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 7
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 10
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中