最新記事

日本経済

「所得制限なし10万円給付案、首相も方向性もって検討と表明」=菅官房長官

2020年4月15日(水)15時00分

菅義偉官房長官(写真)は午前の会見で、公明党の山口那津男代表から所得制限なしで国民一人あたり10万円の給付を行う提案があったとし、安倍晋三首相からは、与野党で決めた緊急経済対策の実施のために補正予算を速やかに成立させたうえで、方向性をもってよく検討したいとしていると述べたと説明した。写真は都内で2017年7月撮影(2020年 ロイター/Toru Hanai)

菅義偉官房長官は15日午前の会見で、公明党の山口那津男代表から所得制限なしで国民一人あたり10万円の給付を行う提案があったとし、安倍晋三首相からは、与野党で決めた緊急経済対策の実施のために補正予算を速やかに成立させたうえで、方向性をもってよく検討したいとしていると述べたと説明した。

国際通貨基金(IMF)が今年の世界経済見通しをマイナス3%と発表したことについて「コロナウイルスにより世界経済の厳しい状況を踏まえたものだと思うが、(その行方は)今後の感染状況や行動制限次第だ」との見解を示した。

またG7(先進7カ国)首脳テレビ会議について、日程は最終調整中であり、現時点で確定していないとした。今の状況を踏まえると連携をとって対処することは極めて重要だとした。

感染拡大防止の視点から、政府として人と人との接触削減のために携帯電話の位置情報も活用検討しているほか、帰国者の検体採取において患者以外の感染を防ぐための方法として、PCR検査、ドライブスルー方式も含めて厚生労働省が検討中だ、と述べた。「1カ月後に終息に向かうには、何としても人との接触を最低7割減とするよう協力をお願いしたい」と国民に呼びかけた

また、トランプ米大統領が世界保健機関(WHO)への拠出停止の考えを示していることに関連し、同長官は日本政府の方針について「新型コロナウイルス感染の早期鎮静化が最優先であり、そうした視点から国際機関への拠出については外交政策における重要性や活動状況をみながら判断している。今後も不断に検討していく」と述べるにとどめた。

(中川泉 編集:内田慎一)

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・新型コロナウイルス対応で際立つ小池都知事の存在感 差を付けられた安倍首相
・新型コロナ危機は与党に味方した? 韓国総選挙
・夏には感染は終息する、と考えていいのか?
・気味が悪いくらいそっくり......新型コロナを予言したウイルス映画が語ること


20200421issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年4月21日号(4月14日発売)は「日本人が知らない 休み方・休ませ方」特集。働き方改革は失敗だった? コロナ禍の在宅勤務が突き付ける課題。なぜ日本は休めない病なのか――。ほか「欧州封鎖解除は時期尚早」など新型コロナ関連記事も多数掲載。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、首都ワシントンに州兵派遣 警察を連邦政

ワールド

エア・インディア、米印首都結ぶ便一時停止 機材不足

ワールド

ノルウェーSWF、イスラエル資産運用契約を解約 ガ

ワールド

トランプ氏、プーチン氏と「手探り」の会談へ 領土交
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
2025年8月12日/2025年8月19日号(8/ 5発売)

現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    産油国イラクで、農家が太陽光発電パネルを続々導入する切実な理由
  • 2
    「触ったらどうなるか...」列車をストップさせ、乗客を30分間も足止めした「予想外の犯人」にネット騒然
  • 3
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた「復讐の技術」とは
  • 4
    イラッとすることを言われたとき、「本当に頭のいい…
  • 5
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 6
    なぜ「あなたの筋トレ」は伸び悩んでいるのか?...筋…
  • 7
    「靴を脱いでください」と言われ続けて100億足...ア…
  • 8
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医…
  • 9
    【クイズ】次のうち、「軍用機の保有数」で世界トッ…
  • 10
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 1
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 2
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大ベビー」の姿にSNS震撼「ほぼ幼児では?」
  • 3
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を呼びかけ ライオンのエサに
  • 4
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 5
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 6
    【クイズ】次のうち、「軍用機の保有数」で世界トッ…
  • 7
    職場のメンタル不調の9割を占める「適応障害」とは何…
  • 8
    イラッとすることを言われたとき、「本当に頭のいい…
  • 9
    こんなにも違った...「本物のスター・ウォーズ」をデ…
  • 10
    これぞ「天才の発想」...スーツケース片手に長い階段…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 10
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中