最新記事

アメリカ政治

新型コロナウイルス対策担当のペンス副大統領、感染深刻なワシントン州を訪問

2020年3月6日(金)18時17分

ペンス米副大統領(写真中央)は、米国で新型コロナウイルス感染がもっとも深刻とされるワシントン州を訪問し、連邦政府からの支援を表明するとともに、トランプ大統領の発言をめぐり大統領を擁護した。写真はワシントン州のキャンプ・マレーで5日撮影(2020年 ロイター/David Ryder)

ペンス米副大統領は5日、米国で新型コロナウイルス感染がもっとも深刻とされるワシントン州を訪問し、連邦政府からの支援を表明するとともに、トランプ大統領の発言をめぐり大統領を擁護した。

ワシントン州のジェイ・インズリー知事(民主党)は前週、ツイッターで、新型ウイルス感染対応についてペンス副大統領とトランプ政権を厳しく批判。「ペンス副大統領に、トランプ政権が科学的根拠に基づき真実を知らせていれば、我々の対策はもっとうまくいっていたはずだ、と伝えた」と投稿していた。

ペンス副大統領は新型コロナウイルスの対策担当に任命されている。

ただ、この日はそうした緊張はひとまず脇に置き、揃ってシアトル郊外の危機対応センターを訪問。副大統領は知事の対応を称賛し、市民に対して「我々は常に傍にある」と呼びかけた。

インズリー知事によると、会談ではペンス副大統領から、不足しているウイルス検査能力や隔離患者の収容能力拡大について援助の申し出があった。高齢者施設向けに連邦政府からの緊急支援も提供されるという。

一方、トランプ大統領が4日、FOXニュースのインタビューで、世界保健機関(WHO)が示す新型ウイルスの致死率に疑問を呈したことが、新たな批判の火種となっている。

副大統領は大統領の発言を擁護し、世界の死者数はWHOの予測よりもずっと少数になる見通しだ、と述べた。

インズリー知事は大統領のコメントに反発しながらも「今は言い争いをしている余裕はない」と述べ、危機対応への取り組みを遅らせることは得策ではないとの考えを示した。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・新型コロナウイルス感染症はいつ、どう終息するのか
・韓国、新型肺炎の激震エンタメ界も BTSは20万人ライブ中止、ファンがとった行動は──
・イタリアが「欧州の武漢」に なぜ感染は急速に広がったのか


20200310issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年3月10日号(3月3日発売)は「緊急特集:新型肺炎 何を恐れるべきか」特集。中国の教訓と感染症の歴史から学ぶこと――。ノーベル文学賞候補作家・閻連科による特別寄稿「この厄災を『記憶する人』であれ」も収録。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

午前の日経平均は大幅続伸、1000円超高 リスクオ

ワールド

フィリピン中銀、8月利下げの可能性示唆 年内2回予

ワールド

マクロスコープ:自民党の混乱、夏以降の経済に影響懸

ワールド

クラゲ大量発生でフランスの原発停止、温暖化で水温上
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
2025年8月12日/2025年8月19日号(8/ 5発売)

現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    産油国イラクで、農家が太陽光発電パネルを続々導入する切実な理由
  • 2
    「触ったらどうなるか...」列車をストップさせ、乗客を30分間も足止めした「予想外の犯人」にネット騒然
  • 3
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた「復讐の技術」とは
  • 4
    イラッとすることを言われたとき、「本当に頭のいい…
  • 5
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 6
    なぜ「あなたの筋トレ」は伸び悩んでいるのか?...筋…
  • 7
    【徹底解説】エプスタイン事件とは何なのか?...トラ…
  • 8
    「靴を脱いでください」と言われ続けて100億足...ア…
  • 9
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医…
  • 10
    「古い火力発電所をデータセンターに転換」構想がWin…
  • 1
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 2
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大ベビー」の姿にSNS震撼「ほぼ幼児では?」
  • 3
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を呼びかけ ライオンのエサに
  • 4
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 5
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 6
    【クイズ】次のうち、「軍用機の保有数」で世界トッ…
  • 7
    職場のメンタル不調の9割を占める「適応障害」とは何…
  • 8
    イラッとすることを言われたとき、「本当に頭のいい…
  • 9
    こんなにも違った...「本物のスター・ウォーズ」をデ…
  • 10
    これぞ「天才の発想」...スーツケース片手に長い階段…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 10
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中