最新記事

感染症

ワシントン州、新型コロナウイルスで全米2人目の死者 NY州でも初感染

2020年3月2日(月)13時40分

米ワシントン州の保健当局は、同州で新型コロナウイルスに感染した50代の男性が死亡したと発表した。写真は、入居者がウイルス感染のリスクにさらされているという同州カークランド療養施設(2020年 ロイター/Ryan Henriksen)

米ワシントン州の保健当局は1日、新型コロナウイルスに感染した70代の男性が死亡したと発表した。米国で2人目の死者となった。また、ニューヨーク州知事は同州初の感染例を確認したと明らかにした。

ワシントン州保健当局は29日、新型ウイルスへの感染による米国初の死者を報告していた。

同州ではこのほか、長期療養施設で2人の感染が確認されており、さらに約50人の入居者と職員が症状を訴えているという。

ニューヨーク州ではクオモ知事が1日、イランに最近旅行した同州の30代の女性が新型ウイルスに感染したとツイッターで明らかにした。同州で初の感性例となった。女性は自宅で経過観察を受けており、呼吸器症状があるが、重症化はしていないという。

米国でこれまでに確認された感染者は70人を超える。大半が西海岸に集中しているが、ニューヨークのほか、シカゴ地域やロードアイランドでも新たな感染者が出ている。

ペンス副大統領など米政権高官らは1日、新型ウイルスの感染拡大に対する反応は行き過ぎだとし、米経済の基調は底堅く、株式市場は回復すると強調、市場の懸念払しょくに努めた。

米国は国内での感染拡大阻止に向け、渡航者に対するスクリーニング検査を開始するとともに、マスクや検査キットの生産を拡大する。

トランプ大統領は1日、新型ウイルスの感染リスクが高い国からの米国への渡航者を対象に搭乗前と到着時にスクリーニング検査を実施する方針を表明した。具体的な国名には言及しなかった。

また、アザー米厚生長官はABCの番組で、米国には7万5000箱の新型ウイルス検査キットがあると明らかにした上で、今後数週間に生産を「急激に」増やすと述べた。

新型ウイルス対策の責任者に任命されたペンス副大統領は、月間3500万枚のマスク増産に関し、政府がスリーエム(3M)と契約を結んだことを明らかにした。マスクを必要とするのは医療従事者だけだとし、国民に買い占めないよう促した。

また、今後6週間以内に新型ウイルスのワクチンの臨床試験を開始するとしたが、ワクチンが今シーズンに利用可能になる見込みは低いとの認識を示した。

ペンス氏はさらに、米国で今後感染者が増えるとの見通しを示した上で、感染者の「圧倒的多数」は回復すると強調。「感染者が出ている地域以外では、平均的な米国人にとって感染のリスクは依然として低い。われわれには対応する用意がある」と語った。

米国はイランへの渡航歴のある旅行者に制限措置を講じ、感染が拡大しているイタリアと韓国の一部地域への渡航中止を勧告している。

トランプ大統領は1日、メキシコとの国境封鎖も検討していると明らかにした。メキシコでは新型ウイルスの感染者は4人報告されている。

デルタ航空は1日、感染が拡大しているイタリア北部のミラノ行き航空便の運航を5月まで停止すると発表した。ローマ行きは運航を継続する。アメリカン航空グループも同日、同様の措置を発表した。

米ヒューストンで今月開催予定だった、石油相やエネルギー会社が一堂に会するエネルギー会議も中止が決まった。

*内容を追加しました。

[ワシントン 1日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・新型コロナウイルス感染広がるイタリア ローマ法王が病もバチカン重病説を否定
・新型コロナウイルスの流行で中国は野生動物を食べなくなるか
・世界経済を狂わせる新型コロナウイルスの脅威──最大の影響を受けるのは日本


20200303issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年3月3日号(2月26日発売)は「AI時代の英語学習」特集。自動翻訳(機械翻訳)はどこまで使えるのか? AI翻訳・通訳を使いこなすのに必要な英語力とは? ロッシェル・カップによる、AIも間違える「交渉英語」文例集も収録。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

再送-〔焦点〕外為特会、減税財源化に3つのハードル

ビジネス

NY外為市場=ドル下落、最近の上昇失速 対円では上

ビジネス

米国株式市場=反落、ソフト企業などハイテクに売り 

ワールド

ゼレンスキー氏「米の反応を期待」、ロシアがエネ施設
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗り物から「勝手に退出」する客の映像にSNS批判殺到
  • 3
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れるアメリカ」に向き合う「日本の戦略」とは?
  • 4
    地球の近くで「第2の地球」が発見されたかも! その…
  • 5
    トランプ不信から中国に接近した欧州外交の誤算
  • 6
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 7
    最長45日も潜伏か...世界が警戒する「ニパウイルス」…
  • 8
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 9
    ICE射殺事件で見えたトランプ政権の「ほころび」――ア…
  • 10
    少子高齢化は国防の危機──社会保障を切り捨てるロシ…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 4
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 5
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から…
  • 6
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 7
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 8
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 9
    秋田県は生徒の学力が全国トップクラスなのに、1キロ…
  • 10
    パキスタン戦闘機「JF17」に輸出交渉が相次ぐ? 200…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中