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新型コロナウイルス

中国当局、孤立状態の武漢市へ十分な食料供給を要請 便乗値上げには厳罰対応

2020年1月30日(木)11時15分

中国政府は新型のコロナウイルスによる肺炎の発生地で封鎖状態にある武漢市の状況を踏まえ、農家に野菜の生産を増やすよう求めた。写真は26日、武漢のスーパーで撮影(2020年 ロイター/cnsphoto)

中国政府は29日、新型のコロナウイルスによる肺炎の発生地で封鎖状態にある武漢市の状況を踏まえ、農家に野菜の生産を増やすよう求めた。一方で、食糧不足の状態につけ込んで、利益を得る行為に厳罰で臨んでいる。

武漢市は人口1100万人の大都市だが、当局は先週、新型肺炎の拡散防止のため同市につながる大半の交通網を閉鎖。一方、当局の許可を得た食料輸送トラックは通行可能だという。

国内最大の野菜産地の山東省寿光市では、今後10─15日間に1日600トンの新鮮な野菜を武漢に届けるよう求められた。キュウリが主な産品のある村では、7時間以内に60トンの出荷を割り当てられたと説明した。

国営メディアの報道によると、国内最大の食料品会社・中国・中糧集団(COFCO)と国営・中国儲備糧管理(シノグレイン)は、湖北省へのコメ、肉、食用油の供給を強化しているという。

また中国・農業農村省は23日、関連当局に対し、野菜の十分な供給維持と価格安定に向けて連携するよう通達した。

河南省鄭州市のスーパーマーケットは、通常1個17元ほどのキャベツを63元で販売し、50万元(7万2421ドル)の罰金を科された。

ある武漢の住民は、封鎖がどの程度長引くかに懸念が広がっており、(食料品の)蓄えを増やそうとする動きに拍車が掛かっていると指摘した。ある住民は「朝の段階ではスーパーに野菜はあるが、大勢の人が大量に買うため棚はあっという間に空っぽになる」と述べ、「戦場」のようだと表現した。

[ロイター]


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