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体長4メートルの巨大ニシキヘビと死闘 生態系守る米スネークハンター

2020年1月28日(火)12時25分

ニシキヘビハンターのトーマス・エイコックさん(54)は2018年夏、米フロリダ州エバーグレーズのビルマニシキヘビ捕獲コンテストに参加していて、体長13フィート(約4メートル)のヘビに巻き付かれたことがある。写真は15日、ニシキヘビを探すエイコックさん(2020年 ロイター/Marco Bello)

ニシキヘビハンターのトーマス・エイコックさん(54)は2018年夏、米フロリダ州エバーグレーズのビルマニシキヘビ捕獲コンテストに参加していて、体長13フィート(約4メートル)のヘビに巻き付かれたことがある。腕と脚を締め上げられ、過去の人生が走馬灯のように頭をよぎったという。エイコックさんは今でも背中に触れたヘビの尾の感触から逃れられない。

エイコックさんはフロリダ州陸軍州兵の少佐。「あいつが何をしようとしているか分かった。俺の首を狙ったんだ。自分に言い聞かせたよ。『こんなことでやられてたまるか』って」。エイコックさんは自力で窮地を脱することができた。

こんな危険な目に遭っても、エイコックさんは今でもビルマヘビ狩りを続けている。何度も広大な湿地であるエバーグレーズを訪れ、少しの時間も惜しんでうっそうとした茂みやススキの中を探す。このインタビュー中もヘビを探索中だった。

生け捕り

ビルマニシキヘビは東南アジアを原産とする外来種で、フロリダ州の在来種に壊滅的な被害を与えるため、州当局がハンターに捕獲や捕殺を奨励している。今年のエバーグレーズのビルマニシキヘビ捕獲コンテスト「パイソン・ボウル」は19日まで10日間の日程で行われ、数十人のハンターがヘビを探す。ハンターは暖炉の火かき棒のような金属製の鉤(かぎ)や袋を装備し、多くのハンターはヘビを生け捕りにする。

最も長いヘビと最も重いヘビを捕まえたハンターにはそれぞれ2000ドルの賞金が贈られる。賞品にはオフロード車などもある。

エイコックさんたちのチームは徒歩のほかに自転車や改造SUVを使い、ビルマニシキヘビを探して昼も夜もエバーグレーズに網の目のように広がる土手を丹念に探し回っている。

エバーグレーズで最初にビルマニシキヘビが見つかったのは2000年ごろ。ペットのオーナーが輸入したり、1992年のハリケーン「アンドルー」襲来で破壊された飼育施設から逃げたりしたヘビがエバーグレーズにすみついたと思われる。

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